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2021年

2021年12月(2)

 

 

 

回顧の人

 

 今年も年の瀬が押し迫ってきました。テレビのワイドショーでは今年一年間に亡くなった有名人の追悼番組が流れ、書店では故人ゆかりの本が並んでいるようです。私もこの風潮に逆らうことなく、どっぷりとマスコミの情報に浸り、「えっ、この芸能人も、この作家も、亡くなっていたの!」という物寂しい気持ちに包まれ、もともと大掃除のやりたくない気持ちが倍増しています。

 今週、ある有名エッセイストが書いた芸能人たちとの出会いと別れを読み、出てきた名前に思わず懐かしさを感じました。

 その中でも印象深いのが映画俳優の池部良さんと、オペラ歌手の五十嵐喜芳さんです。
 約20年前ある会館で見かけた池部さんは、180センチもあろうかと思われる長身に、ソフト帽をかぶりながら上品に話す姿は、まさにイギリス紳士そのものでした。
 また、50年前、高校時代にバレエ教室で一緒だったのが五十嵐喜芳さんのお嬢さんでした。彼女は、発表会のときはいつも主役であり、端役の私は「そんなに違いがあるのだろうか」と疑問だったのですが、今、当時を振り返れば納得です。なにせ、当時の私はといえば今より10キロ以上も太って大きく、トウシューズを履きながらドシドシ歩く姿は柔道一直線といったほうがマッチしていたかもしれません。そしてその本の中で、彼女のその後の様子がわかったのです。ローマのバルベリー二宮殿で「父と娘のデュオ・コンサート」を成功させ、現在は音大の教授をなさっているそうです。家庭内マージャンをしたり、ゴルフでは親子げんかになったり、おまけに何かと記念日を作り、お酒を飲んで騒いでいた私の「父と娘のコラボ」三昧とは全く別ワールドのようです。

写真:樫村慶一
文:町田香子 

 

 

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2021年12月(1)

 

 

 

読み間違い

 

 10月―2号の「まちだより」で、「聞き間違い」に関して書かせていただきましたが、先日の朝日新聞の天声人語で「各地の図書館から覚え違いの実例を収集した『100万回死んだねこ』」という新刊本の内容に笑ってしまいました。「蛇(へび)にピアス」が「蚊(か)にピアス」、「半落ち」が「中落ち」となって利用者からの問い合わせがあるようです。そういえば、私も昔は島崎藤村(しまざき・とうそん)を藤村藤村(ふじむら・とうそん)と覚え間違っていたことがありましたっけ。

 先日は、覚え間違いからバージョンアップして、読み間違いで自分自身がショックを受けました。小学校の図書室で読み聞かせをしていて、きょうりゅう(恐竜という漢字ではなくひらがなだったのです)を「きゅうり」と読んでいたのです。「誕生日にはきゅうりを呼ぼう!」という少年の台詞がしっくりこなくて、目を凝らして気がつきました。今朝の新聞のチラシでも「ラクレット発売!」と書いてあるので、「ラクレットチーズのスイス料理屋ができた」とばかり嬉しくて熟読すると、健康食品の「お腹の薬ラクフィット発売!」でガッカリしました。

 このところ、聞き間違いから、覚え間違い、そして読み間違いと「負のループ」から抜け出せないでいますが、「誰にも迷惑をかけない、間違いのない暮らし」で静かに年末を過ごしたいと思っております。

写真:樫村慶一
文:町田香子 

 

 

 

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2021年11月

 

 

 

お墓参り

 

 両親の月命日に墓参をかかさず今月で4年目を迎えました。
 最初の頃は1人で墓参など経験したこともなく、k-unetのメンバーの中で「墓参のプロ」と称するK先輩にお伺いを立て、御教授を賜りました。墓参の3種の神器は、線香、チャッカマン、ポータブル椅子で、それを持参して墓前で静かに亡き人と話をするとおっしゃられ、私もそういう柔らかな日差しの中で故人を偲ぶ自分を想像しておりました。しかしながら、このしみじみとしたイメージが打ち破られたのは、まずは墓地の所々に立てかけられた卒塔婆が風でカタカタ鳴って怖い事、この上なく、こっちの心臓までガタガタ鳴りました。まして、夏にはヤブ蚊、春には仏花を求めてくる蜂との戦いが待っており、桶とひしゃくを振り回す攻防戦になるとは思いもしませんでした。
 しかしながら、3ヶ月前から楽しみなことが起こっています。それは、私が墓掃除をしていると、墓石の前の線香台から小さなトカゲが挨拶に出てくるのです。最初、お目に掛かったときは、「キャーッ!!」と驚いて墓場であらぬ叫び声をあげてしまったのですが、最近は慣れたもので、先日も「あらあら、元気だった?写メを撮ってあげるわ」と言ったら恥ずかしいのか、脱兎のごとく走り去っていきました。思わず運動神経バツグンだった父の生まれ変わりかと、「輪廻転生」の4文字が浮かびました。
 そんな話を、某学校の元・校長先生にすると「実は私も墓参が大好き。いつも挨拶に来るのは小さなカエルで、春は緑色、寒い季節は灰色になって迎えてくれます。我が家の墓守ですね」とのことでした。このお話をお聞ききして、改めて思います。墓守が7色に輝く玉虫や、南米のコバルトブルーのモルフォ蝶のような美しい虫だったらロマンチックでしょうが、吉岡家(旧姓です)には、やっぱりあの子がピッタリだなあと。

町田香子
文と写真:

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 墓参

 鎌田のお墓は八王寺、高田(旧制)のお墓は広島県尾道市です。しかし、コロナ禍が始まる前から行ってません。遠出が億劫な年齢になったからでしょう。でも、毎年の春秋には情景を思い浮かべて気持ちだけでも墓参した気分になっております。数年前にグループで八王子の奥にある「夕焼け小焼けふれあいの里」(詩人中村雨紅が作った童謡の場所)まで一泊旅行に出かけました。帰路のバスの窓から八王子霊園が目に入り急ぎ下車して鎌田の両親に挨拶してまいりました。懐かしい思い出です。(鎌田光恵)

11/28 鎌田 光恵


 


 

 

2021年10月(2)

 

 

 

聞き間違い

 

 コロナ感染者数が減少してきた今日この頃です。
 自分でもこの2年の自粛生活を振り返る余裕が出てきたのか、新聞を読めば「老眼が進んだかな」とか、スーパーのレジでは、店員さんのビニール越しの声が「聴こえにくくなった」など、身体の節々の劣化を感じ始めています。特に最近、日常の聞き間違いのドタバタ劇に遭遇して辟易することもあります。
 先日は、友人の「人に話せば、しわよせが来る」の一言が腑に落ちなく聞き返すと「人に話せば幸せが来る」だったり、ジムでスタッフから「今、抽選でビルマ温泉券が当たりま~す!」と声を掛けられ、「えっ今、ビルマ!!」と聞き直すと、ビルマがゲルマ(ゲルマニウム温泉の略)だったりしました。他人だったらまだしも、夫から「ここにオマエの字を書いて」と言われ、「ナニ?オマエと言われる筋合いはない!」と怒ろうしたところ、オマエが「ナマエ」であることがわかり、一触即発のケンカの事態を免れました。
 いやはや、ここまでくると、「耳が遠くなる」とはどういうことかと調べてみると、原因は主に加齢、対処法はストレスのない生活で健康的に食べて寝ることなんて書いてあり、それができないから日々聴力低下に陥ると開き直りました。  すると、ふとした聞き違いワードがだんだん面白くなってきて、今やちょっとした聞き違いを逃さないメモ魔になりつつあります。手帳に書き出した例をあげれば、「施設」→「季節」、「なにしてる」→「愛してる」と聞こえ、自分で漫才の台本でも書こうかと思い始めています。
 そういえば両親が晩年、お互い耳が遠くなる中で、「言った」「言わない」で、オチの無いコントのような会話を繰り広げていたなあと思い出します。

町田香子
文と写真:

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 聞き間違いギャグ

 聞き間違いは、加齢も大きいとは思いますが、認知バイアスによって起こりやすいのでは?認知バイアスがあるとき、つまり予め自分が思い込みやイメージをもっている状態であるときに、ある言葉を聞くと、それに引っ張られて間違って聞いてしまうということになります。占いなどに応用されるバーナム効果(誰にでも当てはまる一般的な言説を自分のことだと思い込む心理現象)も認知バイアスによって起きる心理現象でしょう。
 聞き間違いを利用したギャグで受けているのが、サンドウィッチマンではないでしょうか?その中で特に面白かったものをピックアップしてみます。
「トリマーをしています。」「え、通り魔?」
「引っ越しのシーズンです。」「え、人殺しのシーズン?」
「脱いであがれよ。」「そんな趣味ありません。」「くつだよ。」「え、靴から脱ぐんですか?」
「ビッグバーガーセットください。」「ビッグバーガー千個ください。」
「海に行くところです。」「産みに行くところです。」
「五反田に行ってください。」→「オランダに行ってください。」
「今度、結婚するんで」「え、近藤と決闘する?」
「入院中の親父さんが今晩あたり山らしい」「親父さんがヤマアラシ?」 等々。
お粗末でした。

10/28 楳本 龍夫


▶Re: 聞き間違いギャグ

楳本様
感想をありがとうございました。「聞き間違い」の楽しい沼にはまりそうです。サンドイッチマンは、東北地方で特にウケているようですね。

以前、フジテレビで「タモリのボキャブラ天国」というお笑い番組がありました。聞き間違えた歌詞をそのまま歌っていましたが、くだらなくても可笑しくてゲラゲラ笑っていました。7年も続いた長寿番組でしたね。

10/28 町田 香子


 

 

2021年10月(1)

 

 

 

ゆかりの文豪 とのご縁・・・

 

 読書そして行楽の秋の到来です。しかしながら私のような暇さえあれば図書館通いをしている者には、季節も関係なければ、温泉に浸る以上の至福のときが味わえるのも本の世界です。

 私の行きつけの飲み屋ならぬ図書館は、父の実家の近くの品川区立大井図書館です。ここは毎月、館長の意向か「特集本コーナー」があり、実にユニークで楽しみなのです。先日は「大井ゆかりの人物展」と称して、大井町に住んでいた文豪や有名人たちの本が並べてありました。西大井に墓所がある伊藤博文をはじめ、芥川賞の井上靖、国文学者の折口信夫、世界の黒沢明監督、美術家の篠田桃紅、暮らしの手帳の創刊者の大橋鎮子(NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」のヒロイン)等々が、大井町の住人だったようです。特に篠田さんと大橋さんは、大井第一小学校出身ということで、父の同窓とは嬉しい限りです。そういえば、朝日新聞社の速記記者だった祖父曰く「徳富蘇峰が隣り町に住んでいて、交流があったよ」とポロリと言っていたのを思い出し、調べてみると確かに隣り駅の大森には、今でも徳富蘇峰旧居が「大田区立山王草堂記念館」として残っています。ここには、弟さんの徳富蘆花も度々遊びに来たのだろうなあと、大正・昭和の遠い昔に想いを馳せました。

 「文豪」といえば、私ごときもご縁のある方が間接的に、お1人だけいらっしゃることに気がつきました。小学校1年の時の担任の「みどり先生」の父上です。すでにみどり先生は60才前後だったでしょうか、とにかく厳しくて、いつも怒られっぱなしの私は、連絡帳に「もっとがんばりましょう」という桜マークの判を押される常習犯でした。あるとき母親に「先生が怖すぎる!」と訴えたところ、ニコニコと「大丈夫、先生の父上はノッポさんだから、きっと厳格なのよ」とわけがわからない答えでした。このノッポさんが「ドッポさん」の聞き間違えで、あの国木田独歩だったということがわかったのは、大きくなってのからのことでした・・・。

写真:樫村慶一
文 :町田香子

 

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2021年9月(2)

 

 

 

秋の七草に想うこと

 9月は、敬老の日やお彼岸、秋分の日などのイベントが目白押しです。自分の手帳に、この秋の墓参やお寺さんの法要日を書き留めると、ちょっとした高揚感をもたらしてくれます。長雨ですっかり面倒になっていたマイルールの散歩も再開しました。

 雨上がりのしっとりとした公園の草花には、思わず足を止めて眺めてしまう魅力があります。咲き乱れた濃い赤紫色のナデシコや紫のキキョウのアピール度は、まさに秋の七草たちだと思うのですが、七草イメージのトップは「ススキだ!」と私的に思います。というのも、高校時代に文芸部のピクニックで行った埼玉の、ススキが繁茂する絶景と大好きだった先生との思い出があるからです。夕日をバックにススキがサワサワと揺れて金色に輝き、なんだか18歳の私たちはこの世の桃源郷かと、しばし立ち尽くしました。受験生だったにも関わらず、なぜあの日に、部活の顧問でもあった国語の「堀越郁子先生」に引率をお願いして出かけたのか思い出せませんが、本当に楽しい有意義な一日と金色のススキだけを覚えています。その後もずっと、優しくて大好きだった先生とは年賀状で繋がっていましたが、あるとき、プツンと返信が来なくなりました。もしやと思いながらもその後、亡くなられたことを同窓会通知で知りました。2013年にヒットした、宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」の主人公で零戦を設計した堀越二郎氏の娘さんだったことを知ったのは、もっとあとでした。

 なんだか、この「まちだより」を書いていたら、満月の夜にでも、ススキを飾って、一度も怒られたことがなかった堀越先生を思い出しながら飲みたい気分になってきました。今秋できたての日本酒「ひやおろし」で・・・。

 

(文:町田香子、写真:樫村慶一ほか)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 秋の七草

萩、尾花、桔梗、なでしこ、女郎花、葛、藤袴

秋の七草は上の順に覚えると七つがすんなり口に出ます。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の諺にある通り 幽霊が出たと思い込んでいたら実は薄だったとは面白いですね。
 はじめに町田さんの写真だけを見たときは、何故 零戦が引用されているのか理解できませんでしたが文章を読んで「なるほどね」と合点した次第です。 ちなみに、春の七草はもっと流れが良いです。

すなわち、 せり、なずな、御形(ごぎょう)、はこべら、仏の座、スズナ、すずしろ これぞ七草 と覚えます。

09/15 鎌田 光恵


▶Re: 秋の七草

鎌田様

感想をありがとうござまいました。秋の七草は食べられませんが、春の七草はお粥にすると胃に優しい食べ物ですね。正月の食べ疲れには、ピッタリだなあ~といつも思ってます。

今年の9月は寒かったり暑かったりと、なんだか着る物に困っています・・・。

09/22 町田 香子


 

 

2021年9月(1)

 

 

 

泣く子と地頭には

 9月になってそろそろ、2学期が始まる頃となりました。とはいっても現在、学校では「分散登校組かオンライン組かを親が決める事態となっている」とニュースで聞き、どんなに子どもたちが悶々とした日々を送っているかと考えてしまいました。

 私などは、相変わらず生活自体は「休止」「中止」「延期」のオンパレードで唯一、図書館通いだけが希望の光です。そんな図書館でちょっとした事件がありました。

 ある日、本を返却しに行くと、図書館の入口で小さな小学生の女の子がマスク越しにシクシク泣いているではありませんか。声をかけるのを一瞬ためらいましたが、あまりにも悲しそうで、「どうしたの?」と自分でも驚くほど優しい声で、彼女の目線に合わせて膝をついて話しかけました。すると、今度は泣きじゃくりだしたのです。その声にビックリしたのか、警備員さんも飛んできました。
 「ヘンなオバサン」と間違われないように「お友だちは?」、「ママはどこかな?」などと、この子が困っているあらゆる場面を想定して聞いたのですが、「あのね、ここで待ってたんだけどね、・・・なの」と、その後の言葉が号泣で全く聞き取れません!一瞬、自分の聴力の劣化を呪い、この子と一緒に泣きたくなりましたが、警備員さんもなんとか聞き取ろうと必死の形相です。「よし、こうなっては夕方の惣菜の買い物より、この子にとことん寄り添おう」と決心した途端、ちょっと大きな女の子が、携帯電話を耳に「ママ、いたよ」という言葉を発しながら近づいてきました。私が「この子を知ってるの?」と聞くと「うん」と言いながら、泣きやんだ子の手をとり、サッサと行ってしまいました。
 いやはや、ホッとしたものの、あの可愛かった迷子ちゃんへの私の問いかけは正しかったのかと思いながら、ふと、まだ本を返却せずにいたことを思い出しました。

 改めて見た本のタイトルに、自分の肯定感が高まったのは、今、売れ筋の作家、千葉茜氏の書いた「正しい女たち」だったからです。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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2021年8月(2)

 

 

 

季節は巡って

 開催に物議を醸した東京オリンピックも終わり、オリンピックと同時期に行った拙宅の台所の60年ぶりのリニューアルも無事に終了しました。気がつけば、なんだか物寂しい毎日で、あの猛暑の中の忙しかった日々が懐かしく思い出されます。特に先週は気温35、36度の危険な暑さが続き、大工さんたちへの午前・午後のお茶出しや、時々来訪する現場監督さんへの対応で夕方になるとフラフラになっていました。それでも、熱中症と闘い頑張れたのは、クーラーが無くて37度にもなる台所で働く大工さんたちに、頭が下がる思いがあったからです。あまりの暑さに「大丈夫ですか?」の私の一言に、棟梁の「大工は、クーラーのある場所で仕事なんて無いですから」との返答には、暑かろうが寒かろうが関係ない、仕事の厳しさを教えられた気がしました。

 オリンピックの試合でも、日本選手がバンバンと金メダルを獲得していく様子に、もちろんパワーをいただき心が躍りました。しかし、本当にスポーツの厳しさを感じたのは、オリンピック終了後の新聞記事でした。

 卓球で中国を破って混合ダブルスで金を取った水谷隼選手の引退の言葉です。私もなぜか気になっていた彼のあの目立つサングラスは、実はオシャレではなく、もはやボールがはっきり見えなかったからとの告白でした。「もう無理かな」の一言に、「見えると思って集中してきた苦労」が胸に刺さりました。

 この夏の色々な思いが、今、台所の窓から見える長雨で流されていくようです。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものです。こうやってまた、季節は何事も無かったように秋に向かっていくのだなと思いました。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ パラリンピック

2020オリンピックが終わった時、コロナ禍で感染者が益々増加傾向にあるとの報道で、パラリンピックの開催は中止した方がよいのではないかと思い始めていた私でしたが、いざ始まってみるとその迫力に毎日圧倒されています。大会の合言葉はレジリエント(resilient)「しなやかさ」雪の圧力で曲がった笹がパーンと雪を跳ね返して元に戻る力を意味するそうです。!

障害を持ったアスリートたちが楽しそうに競技に打ち込む姿は美しく、見る者の心を打ちます。

中でも4人が戦う「車いすラグビー」の迫力は素晴らしいものがあります。若い力は見事です!

08/28 鎌田 光恵


▶Re: パラリンピック

鎌田様、コメントをありがとうございました。パラの開会式は、コンパクトにまとまっていたと評判でしたね!私も、テレビをつけると思わず時間を忘れて熱く応援してしまいます。

私は競泳の14歳の山田選手に感動しました!多分足の蹴りだけで銀メダルは凄いですね。インタビューの話し方もとても純粋で可愛くて心を打たれました。

08/28 町田 香子


 

 

2021年8月(1)

 

 

 

健診結果

 毎年恒例の「特定健康診査」(通称・メタボ健診)が無事に終わりました。毎年誕生月の6月に市から通知が来て、病院の予約に走り、通常健診の他に動脈硬化などのオプションも欲張って申し込むので、色々な検査日ごとに通います。それだったら、豪華食事付きの1泊「人間ドック」の短期集中で済ませばと、アドバイスをいただくかもしれませんが、御会計が1ケタ違います。海外でバリバリに活動する日本の芸術家が健診のためだけに帰国し最高の検査をすると聞いたことがありますが、芸術活動どころか、煎餅を食べながら数独にハマッているような生活の私には、レベルが違うなと思います。

 そして約1ヶ月後にやっと健診結果発表となるのですが、これを聞きに行くのに、待合室では、凝りもせず「この1年は飲み過ぎた、ごめんなさい」「もっと家で体操をすれば良かった」など、誰に謝るのか、反省しきりです。そして、窓口から「町田さ~ん、診察室へどうぞ~」とお声がかかると、緊張感はマックスに達します。

 さて、今年の結果はと申しますと、コレステロールで引っかかるのは毎度のことですが、下の血圧が高く、腎臓のクレアチニンの数値でチェックが入り、「減塩」と「お茶をたくさん飲むこと」を厳命されました。コロナ禍のストレスできっと胃も荒れていると確信していたのですが、今年は「まっピンクで綺麗」と言われ、ビックリして回転椅子から転げ落ちそうになりました。そういえばこの1年間、ほとんど宴会が皆無だったことを思い出しました。ある意味、飲食店での酒類提供禁止は私の胃に幸運をもたらしました・・・

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 夏の雲

前回と同様、今回も美しい夏雲。そしてひっそりと静まり返った庭の風景。人影が見当たりません。早朝なのでしょうか。心が癒されます。鎌田

08/03 鎌田 光恵


▶Re: 夏の雲

感想をありがとうございました。健診は毎年のことなのに、どうして6月頃からワサワサするのでしょうか。懲りない自分がいます・・・。

08/05 町田 香子


 

 

2021年7月

 

 

 

自分らしい朗読とは

 先月から市民センターで開催されている「朗読教室」に月に2回、一念発起で通い始めています。本好きでも「朗読はプロの仕事。私は黙読派だ」と思っていた私ですが、このところコロナ禍で下火だった、「おはなし会」や「読み聞かせ」に復活の兆しがあるようです。やはり、朗読や語りが多くの人に求められている状況なのでしょうか。

 その朗読教室の初顔合わせでは、講師の方が40代後半の舞台にも立つ演出家で、生徒6人は平均年齢72歳のシニアだけと分かり、実に講師の方はやりにくいだろうなあと察しました。でも皆さんの自己紹介でビックリ、受講理由がそれぞれ前向きで堅実なのです。元・高校の国語の先生は、「今活動している朗読劇のバージョンアップを目指します」、半プロの女性講談師は、「紙芝居に興味があるので学びたい」、一緒に行った友人さえも「孫が生まれたら朗読するのが私の夢」なんて答えるでは、ありませんか。私だけが、朗読に関しては「ド」が付くほどの「素人」で、結局「私の声は、低すぎて小さいときから嫌でした。ましてあせると、早口になり親からは『何を言ってるかわからない』とよく言われました。朗読をしたら、高い声になりますか?」などと自己紹介でお悩み相談を口走っていたのでした。

 そして各自に配られた教科書を見て、また2度目のビックリ!読んだこともない「大岡越前政談」でした。読めない漢字も多く、「本所中の郷」→ほんじょなかのごう(今の浅草)、「八郎右衛門」→はちろうえもん、などと舌を噛みそうになりながらも、大きな声で、夢中になって練習しました。

 授業の最後に講師に言われました。「練習しても声は変わりません。町田さんの人柄、人生経験を踏まえて、町田さんの言葉で語ってほしいのです」。そう語る講師は、私にとってまるで大岡越前守のように神々しく見えました。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 梅雨明け

町田さんこれから毎日30度を超す日が続きそうですが、朗読に取り組むエネルギーを持ち合わせておられるとは尊敬です。頑張ってください。私は冷房の効いた部屋でお昼寝専科です。鎌田

07/16 鎌田 光恵


▶Re: 梅雨明け

鎌田様 感想をありがとうござました!さすがに、このところの猛暑で私もへたっていました。でも今日、朗読教室に行って、また「大岡政談」の読み合わせをしたら、居住まいを正す思いがしました。見事な大岡裁きに、しばし、この暑さも忘れそうでした。

07/23 町田 香子


 

 

2021年6月(2)

 

 

 

若い人の涙

 女性専用フィットネスジムにお試し入会のつもりが、なんとなく通って半年になります。今流行の「買い物ついでや仕事帰りに寄れる駅ビル上のお手軽サーキットジム」です。ウォーキングも自宅ヨガも、生まれ持った継続力の欠如か、続かず脱却を図ったのでした。8台のマシンを3周、前後のストレッチを加えても30分で終了、私語厳禁、マスクやビニール手袋着用というコロナ感染予防が気に入っています。でも、ボーっとマシンを回っていると、「今、自分はいったい何周目なんだろうか!」というブラックホールに陥ります。おまけにこのジムの親会社が「料理スタジオ」らしく、室内のあちらこちらに宣伝用見本食材が置いてあります。「蜂蜜入り紅芋酢」「はちべえ・ドライトマト」「こんにゃく香肌麺」など、ネーミングも高貴なら、お値段もお高く、買いたいというよりも、まずは女性は試食でしょ、と教えてあげたいくらいです。

 最近は、余裕が出てきたのか、気がつけば利用者の人物観察をしている自分がいます。全くやる気が無くマシンに座っている女性には、体育教師さながらの憤りを感じ、プロ並みのヨガのポーズをご披露している女性には「やりすぎだ!」とマスクの中でつぶやいています。

 なんといっても、楽しみなのは、受付嬢の若いスタッフとの何気ない会話です。彼女から「町田さん、そのオレンジ色のシャツ似合いますね」なんて言われると年甲斐も無く嬉しくなり・・・。先日彼女から「ジム・インストラクターの試験に合格しました!」と報告されたときは、自分が合格したような幸せな気持ちになりました。すぐに1階の花屋に行って小さなブーケを買って、とって帰り彼女に「はい、おめでとう!」と手渡すと、彼女の目からみるみる涙が・・・。その日は、「若い人の涙っていいな」と思いながら、私も何かに挑戦してみたくなりました。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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2021年6月(1)

 

 

 

ニシキヘビ捕り物帳!

 「えーッ、ニシキヘビが逃げたって~!」思わず4月初めのニュースにビックリしました!テレビの画面に目を凝らせば山奥の僻地の話ではなく、なんとうちのお隣りの、横浜市戸塚区の事件です。戸塚は山坂はあるものの、「おいしいもの とつかブランド」といって、区民推薦のレストランやスイーツが区役所認定で楽しまれているオシャレな街です。そんな場所での飼い主がなんと20代の若者だと判明、飼った理由が「顔が可愛かったから」との答えに、戸塚にいる2、3人の友の顔が思わず悲劇的に浮かびました・・・。テレビのワイドーショーでは連日、「噛み付くというよりも巻きついて人を窒息させる。まる飲みもできる」などとニシキヘビ凶暴情報を流し続けるので、まるで子ヤギが狼のお腹に食べられてしまうグリム童話を思い出し、恐怖で連日震え上がっていました。

 結局、皆様ご存知の通り、地元警察や消防などが総動員しても発見できなかったのに、17日後に現れた救世主により、飼い主の部屋の天井裏から「御用!」と相成ったわけでした。この救世主とは静岡からボランティアでかけつけた爬虫類・両生類の体感型動物園の園長さんでしたが、この方のコメントに私同様に感激した方も多いのでは。「手袋は滑るから素手で、まず頭を掴み、天井から引きずり出し、抱きかかえるように体に巻きつけて運んだ」という所要時間は、たったの4分!思わずこの園長さんに先生を付けて「園長先生」とお呼びしたくなりました。無傷でそっと園長先生の体を軸にしてお外に出られたこの体長3.5mものヘビ君(オス?)は本当に幸せものだと思います。

 この事件を報道した週刊誌の記事の締めの文章に思わず笑ってしまいました。ケージから逃げたことを「もう、爬虫類でさえ、ステイホームはうんざりしてるかも・・・」。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ ヘビ

イブは蛇の誘惑にのって禁断の果実を食べました。恥というものを知らなかったアダムとイブ、神の怒りにふれエデンの楽園から追放されました。と旧約聖書に書かれています。蛇は罰として手足を取り上

 

2021年5月

 

 

 

憩いのひとときを失うとは

 風薫る5月、新緑の頃となりました。しかしながら爽やかな気候とは裏腹に、コロナ禍の影響か、行きつけのコーヒーショップの「5月末をもって閉店」の看板に、言いようのない寂しさがつのる毎日です。

 この10年、店内に常備された週刊誌を熟読、芸能ネタやスキャンダル情報を無料でゲットしたり、早朝から紙と鉛筆でどれだけ原稿を書いていたでしょうか。まさにこの「まちだより」も8割がた、この店のコーヒーに包まれて書いたと言っても過言ではありません。そして、一緒に居合わせたお客の忘れられないハプニングもありました。ある朝、小説本を持ち込み読んでいたら、たまたま地震に遭遇しました。スマホゲームに夢中だった青年が、突然顔を上げて叫んだのです。「誰だ!貧乏ゆすりしてるのは!」と。きっと彼は、ゲームの世界と現実の狭間で敵と戦っていたのでしょう。また、なぜか「ノートパソコンを忘れた!」と走って戻ってきたサラリーマンがいましたが、彼は店を出るときは手ぶらだったのしょうか。きっと仕事のし過ぎで疲れているのだろうと、忙殺の日々を慰めたくなりました。

 この店自体も10年間で色々と様変わりをしてきました。最初は、禁煙、喫煙席と分断されていましたが、2020年4月からは受動喫煙防止対策法で、全面禁煙となるとかなり客足は減りました。去年からは、コロナ禍で自粛休業や、開店・閉店時間がコロコロと変わるようになってしまいました。

 去年の今頃は、この店の休業のため、公園のベンチでそよ風に吹かれて自前のコーヒーを楽しんでいることを「まちだより」にノンビリと書いていましたっけ。まさか1年後に「憩いの場所」を無くすとは思いもせずに・・・。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ いつも楽しく読ませていただいています

井草です、町田さんのいつも元気な様子の楽しい話を読ませて頂き、感謝、感謝です。

05/13 総会閲覧会員


▶Re: いつも楽しく読ませていただいています

井草様、コメントありがとうございました!こちらこそ、感謝です!コロナ禍で、ドンヨリした日々を送っておりましたが、あらためて「まちだより」を頑張って書こうと思いました!また、よろしくお願いいたします。

05/14 町田 香子


 

 

 

2021年4月(2)

 

 

 

沈没船ジョーク

 ある本を読んでいたら、面白いジョークが引用されていて笑ってしまいました。

 それは、「沈没しかかった船で、脱出ボートが足りないとき、船長が『とりあえず海に飛び込め!』と各国の乗客を納得させた言葉とは?」でした。

 アメリカ人には「飛び込めばあなたはヒーロー」、イタリア人には「海で美女が泳いでいる」、フランス人には「決して飛び込むな」、ドイツ人には「規則ですから」、そして日本人には「皆さん、もうされてますよ」が答えでした。久々に最高のジョークと感じた私は、誰も知らないだろうと高をくくり、これを自慢しようと念のためにネットで調べてみたら、なんと「沈没船ジョーク」としっかり載っているではありませんか!「宴会で披露するとバカウケ間違いなし」とまで書いてあり、出鼻をくじかれました。くじかれたままよく考えてみたら、確かに的は得ていますが、あくまでイメージの世界で、これは何かのデータに基づいているのかなと思えば疑問が湧いてきました。(というのも、私の周りで「右にならえ」で飛び込みそうな日本人は一人もいないからです)。

 そして、イメージだけで相手を捉えると、どんでん返しに遭った経験までが蘇ってきました。某区内初の「親子カフェ」の取材に行ったら「暖かい笑顔で迎えてくれる優しいオーナー」が逞しき青年だったり、美人と名高い方との食事で、どんなお上品なおちょぼ口で料理をお食べになるかと思いきや、豪快にスペアリブに噛りついてらしたりと・・・。

 ここまで書いてふと、我が身を振り返りました。私の名前の「香子」が「かおりこ」と読むと知った方々が私の顔を見て一瞬、驚いた顔をするのは、イメージが違うからでしょうか・・・。

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 箒川!緑の葉が茂り、実もなっていますね

この緑の葉は梅ですか?気持ちが和みますね。

目に青葉山ほととぎす初鰹

今から300年ほど前に作られたらしい俳句ですが、青葉、ホトトギス、初鰹と季語が三つも入っている珍しい俳句。

05/05 総会閲覧会員


▶Re: 箒川!緑の葉が茂り、実もなっていますね

感想をありがとうございました。今の時期にピッタリな俳句ですね。思わず作者をネットで調べました!江戸時代中期の俳人・山口素堂の作で、春から夏にかけて江戸の人々が最も好んだものを盛り込んだそうですね。特に、初夏の初カツオを食べることは、粋のあかしだそうです。私もほとんど江戸っ子なので、今夜はカツオのお刺身にしようかなと思います!

05/12 町田 香子


▶ その他、2件のメッセージがありましたが、他サイトに既掲載の内容であり、著作権への配慮からここでは掲載を割愛します。


 

 

2021年4月(1)

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あなたの宝物は?

 ジムで身体を動かすことが好きな私でしたが、コロナ・クラスターが怖くて退会して、約1年になります。その間、ひと駅歩いたり、家でラジオ体操などしていたのですが、どうにも運動後の爽快感を感じることが皆無で、心身ともに悶々とした日々を送っていました。そんなとき、区報で高齢者施設での「60歳以上のシニアの元気体操」を知り、お試し的に参加してみました。

 まずは認知症チェックの紙を配られ読んでみると、15項目中「物忘れが多い」、「計算できない」(これはもとからですが)、まずはほとんど当てはまり、顔面パンチをいただいたようなショックを受け、次の簡単ストレッチでは、マスク着用なので息苦しいことこの上なく、まるで酸欠の金魚のようでした。そして最後は口腔体操が待っていました。まずは舌打ち体操で、小さいときから、「下品だから絶対してはいけない!」と言われてたあの舌打ちです!それも連続16回しないと舌圧には効果がないとか。喜んで「チッ、チッ」とマスクの中で思う存分、アウトローになった高倉健さんのようにやらせていただきました。

 そして次、誤嚥防止の「パタカラ体操」で「パ・タ・カ・ラ」と大きく口を開けて発声するのです。言いにくければ、「パンダの宝物」と唱えれば、全ての「パタカラ」が入っているのだそうです。これを教えてくださる優しそうな嚥下トレーナーさんが、脳トレなのか「あなたの宝物は何ですか?」と一人一人に聞いてきました。80歳代のお2人は「多すぎて言えない」と答えれば、別のご婦人は「ネコ!」と叫びました。私の番に来たら「母の形見の指輪!」と答えるつもりでしたが残念ながら終了時間になってしまいました。

 でも、そのあと、ずっと「自分の今の宝物はなんだろう?」と考え続けています。周りにいる人に聞いてみるとほとんど「家族!」と即答で返ってきます。

(文と写真 町田香子)

 

 

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2021年3月

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世界を駆け巡る紙芝居

 最近、紙芝居師から話を聞く機会がありました。といっても、私たち昭和生まれが持つ「公園の片隅で、ハンチング帽をかぶったオジサンが子どもに飴を配りながら、『鞍馬天狗』を朗々と披露してくれる」イメージとは、全くかけ離れたものでした。なんと、外国キャリアの元・キャビンアテンダントの方が、「黄金バット」にたまたま出会い、これからの人生は紙芝居しかないとライフワークに決め、活動しているというのです。

 伝統的な紙芝居を大事にしつつも、自ら食品ロスやゴミの環境問題を扱った手描きのオリジナル版でも公演、おまけに独学で修得した「玉すだれ」や「皿回し」も取り入れた、まさに「スリーD型紙芝居」にも取り組んでいるとか。もっと驚いたのはこのコロナ禍で、祭りやイベントが中止になると、海外にいる知人に呼びかけ、SNSで発信すると、メキシコやブラジルからも反応があり、なんと世界の紙芝居師が繋がったというのです。そして、彼女が国別、演目別にプログラムを作り、3月のある日曜日にオンラインで一斉に「世界の紙芝居」を約5時間にわたり、発信することができたのです。

 彼女に「ぜひ見るだけでも!」と促されて、参加してみたのですが、英語はもちろん、スペイン語やポルトガル語が飛び交い、時々理解不能な私でしたが、ブラジルの紙芝居は、どこかで見たような懐かしさがありました。それは、日本でも馴染み深い「かさじぞう」のようでした。なんだか、善行は神様が見ているというのは世界共通だと納得です。

 テキパキと話す彼女の美しい横顔を見ながら、なんて魅力的な生き方だろう、こんな人が日本のリーダーだったならなあとしみじみ思いました。

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 最後の一行に同感です

国会中継や記者会見の菅総理の姿、話し方、表情に不満を覚えます。
紙芝居をやって子供たちの反応をみて見て勉強してほしいものです。
今の御時世何をしても国民は感動してくれない、そっぽを向いてしまいます。
何とか惹きつける話力を会得してほしいものです。

03/19 鎌田 光恵


▶Re: 最後の一行に同感です

鎌田様

鎌田様 感想をありがとうございました。
本当に、今のご時世、人をひきつける話し方をする方があまり、いませんね!
以前、読んだ本の中に「まずは、人の目を見て話すこと」と書いてありました。また、調べてみると、人が聞きやすい声のトーン、早さなども耳に影響するそうです。
女性アナウンサーで調べたところ、一番聞きやすいアナは、昔テレビ朝日の報道ステーションで、久米宏さんとペアを組んでいた小宮悦子アナだそうです。 今の御時世何をしても国民は感動してくれない、そっぽを向いてしまいます。 何とか惹きつける話力を会得してほしいものです。

03/29 町田 香子


◆ 町田さんは紙芝居を楽しんだ?

日本から世界中の紙芝居師をSNSで取りまとめたのはすごいです。
自分の紙芝居時代は、ほとんど小遣いを持ち合わせて無かったので、遠くから見ていただけでした。

 

03/18 京極 雅夫


▶Re: 町田さんは紙芝居を楽しんだ?

鎌田様

京極様、感想をありがとうございました!
はっきりいって、外国の紙芝居は、かなり頭を使って見ました!
メキシコ紙芝居では、マリアッチなどが流れてきて面白かったです。
日本の紙芝居では、福島関連のもあり、考えさせられました。
主催者の彼女の話によると、演者になってくれて子どもには、クラウドファンディんグで募ったお金で、沖縄の木で作った拍子木をプレゼントしているのだそうです。
夢は、紙芝居を見たことのないスラム街の子どもたちに紙芝居を見せることって、凄いですね。

03/19 町田 香子


 

 

 

2021年2月(2)

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みんなの長嶋さん

 ある会報誌の特集「元・巨人軍長嶋監督を語る」でエッセイを書く人にキャンセルが出て「代打で書いてもらえませんか?」との打診が来ました。お断りするにはもったいない話だと思いながらも、見たことも会ったこともないスターであられますから、周りの方々から情報を集めました。

 「地元の選挙の投票場で、会ったがステキだった」とか、「娘の女子校のパパの会にいた」など一般的で、インパクトのある話は聞えてきません。それでも、何か自分とのご縁はないかと考えあぐねていると、思い出したことが1つありました。

 昭和49年の秋頃、予備校時代のある日、教室で男子たちが大騒ぎをしています。「大変だ!長嶋選手が巨人軍を引退だー!」と、勉強どころではありませんでした。当時、野球など興味の無かった私ですが、これほど男子たちを興奮させる凄いヒーローなのだと驚きました。

 そういえば、この年はニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任したり、ユリゲラーの超能力ブーム、日本のセブンイレブン1号店ができるなど目まぐるしい年でもありました。そんな当時のことを考えていたら10代最後の切ない思い出が次々と浮かび、原稿依頼から1週間、遅々としてペンも進まず、今に至ります。

 でも、この「長嶋さん情報集め」で勉強になったことがあります。それは、ある年齢以上の方が自己紹介のときに使うフレーズに「あの長嶋さんと同じ歳です」、「あの長嶋さんと同じ出身校です」と、『あの長嶋さん』がよく登場することです。ときを経ても、愛されているスポーツマンだなと感慨深いです。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 偶然、旅行中に長島さんを見かけました。それも2回

いつも ”まちだより”お疲れさまです。松本です。

長島さんは、ちょーさん、ミスターなどと称されて親しみのある、チャーミングな方だと思います。なので、偶然にも見かけた時は嬉しかったですね。最初は、福岡空港で次は、JR静岡駅の新幹線ホームでした。いずれも”一芸に秀でた方のオーラ”を感じました。松本

 

03/06 松本 房子


◆ 私はノムさんも好きでした

長嶋さんは向日葵、僕はいつも月見草」長嶋さんはいつもここぞの時に燃えることができる人。今の時代だったら大リーグでどんな活躍をしていたでしょうか?

 

02/27 鎌田 光恵


▶Re: 私はノムさんも好きでした

鎌田様

感想ありがとうございました。ノムさんは「相手をじっくり観察する人」と言われてますね。取材記者が、「野村監督にインタビューしていても、人物観察されているようで怖かった」と言ってました。長嶋さんは、「巨人・大鵬・卵焼き」の人気者の代名詞の道をまっしぐらですね!!

02/28 町田 香子


 

 

 

2021年2月(1)

まちだより
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ドーナッツショップの 思い出

 喫茶店好きの私ですが、よく利用するのは全国展開のあの有名な大手ドーナッツショップです。特に、カフェオレが飲み放題というのは、コスパの良さでは、業界の王様のようです。実家近くの環七沿いのこの店を愛し、39年間通いました。2011年6月、その店が閉店すると聞くや、宝物を失ったような寂しさを感じ、感謝の想いを込めて新聞の読書欄に投稿しました。

 ドーナッツを買うとポイントが貯まり、タオルや弁当箱がゲットでき、未だにエコバッグを使っていること、初アルバイトの面接を受けたこと、50歳になっても母と通うことが自分のストレス解消になっていること等々。それが2週間たって新聞に実名入りで掲載されたときは、何人もの方々から「見たわよー!」と連絡が入りました。

 あれから、あっという間に9年たった去年の11月、ふと立ち寄った、横浜のこのドーナッツショップで「創業50周年キャンペーン・思い出エッセイ募集」の看板を見ました。カフェオレを飲みながら、「よっしゃ!9年前に新聞掲載されたこと、いまだに、オンボロになっても使っているあのエコバッグのことを書こう!」と、その場で紙ナプキンにツラツラとしたため、それをメールで応募し、2月結果発表を待ちました。

 はてさてその結果は・・・。

 昨日、郵便配達の青年からじかに受け取った書留に、なぜか見慣れたドーナッツマークが!開けてみたら、「ご当選おめでとうございます」の文字とプリペードカードが入っていました。おいくら入金されているかは、実際に店に行って確かめたいと思っています。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆オールドファッション

私もドーナツが好きです。戦後はじめて口にした甘いものが母の手製のドーナツでした。甘くて美味しかったことが今も記憶に残っています。家庭を持つようになって、あのドーナツ店でドーナツを購入するときはいつもテイクアウトでした。お替り自由のカフェオレのことは知りませんでした。娘は子供時代はいつもフレンチクルーラーを所望、私はいつもオールドファッションでした。鎌田光恵

0コメント02/09 鎌田 光恵

02/09 鎌田 光恵


◆投稿採用率100%!?

新聞の投書欄に続き、エッセイコンテストでも採用されたとは、「まちだより」で
その文才には感心しているところでしたが、それ以上か。

もう一つ驚いたのは、我が家の山の神のリクエストもあって、今日の夕方、そのドーナッツ・ショップで買い物をし、今夜のデザートに頂いたのでした。そして、食後にk-unetホームページを開くとドーナッツの記事。

こんな偶然もあるのですね。それとも、まちだより筆者の千里眼?

02/05 山本 勝美


▶Re: 投稿採用率100%!?

山本様

コメントをありがとうございました!夕方、そこのドーナッツを購入されたとのことですが、その中に「ピエール・マルコリー二とのコラボでできた期間限定のチョコドーナツ」の5種類のうちの1個でもゲットなされたでしょうか!今や、凄い人気で、午前中から売らずに、昼の微妙な時間に売り出すようで、どこの店も人が並び、すぐ完売のようです。どの店でもレジで「何時から売りますか?」と聞く人を何人も見かけました。ピエール・マルコーニとは、ベルギー王室ご用達のチョコレートブランドのようでうすが、それをドーナツにして1個200円{税抜き}で売るとは、しっかり日本人の心をつかんだようですね!!

02/07 町田 香子


 

 

 

2021年1月(2)

 

まちだより
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御三家の様変わり

 あっというまに1月も中旬です。年末年始はどこにも行かず、家族で毎日テレビとビール三昧の日々でした。特に盛り上がったのが今さらながらの紅白歌合戦です。白組1番手が郷ひろみだったので「私の年代の御三家は、この人と野口五郎、亡くなった西城秀樹(さん)よ」と30代の子どもらに教えると、「私ら、たのきんトリオで、マッチに田原のトシちゃんに、野村のよっちゃん」とまるで親友のように言います。
 そこに聞かれてもいない70代が「元祖・御三家は橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦だ!」と参戦してきました。しかしながら、この歌謡界のレジェンド9名中、紅白に今も出ている歌手はなんと、郷ひろみだけです。いやはや、世の中は光陰矢の如しだわと、つぶやいた私でしたが、後にとんでも勘違いを知ることとなりました。
 実は、この中にスマホアプリの開発に邁進なさっているお方がいらしたのです。なんと、あの16歳でデビュー、「青いリンゴ~♪」と唄っていた野口五郎氏です。「氏」と呼びたくなったのは、なんでも政府のアプリ「COCOA(ココア)」よりバージョンアップした、個人情報の入力不必要な「コロナ接触通知アプリ」を開発したというのです。コンサート会場にQRコードを置き、客がスマホに読み取れば来場者にコロナ感染がわかった場合に、主催者側から通知が届く仕組みだそうです。驚いたことに、10年前から研究していたとのことです。元々、音響に興味があり医師や学者と研究した「音源の振動を巡る論文」はで英科学誌に掲載されたこともあるそうですから、趣味の域を超えています!
 ただ、野口氏を素晴らしいと思っても9名中、歌手として好きなのは、舟木一夫です。1度、ライブで「船頭小唄」を聴いたとき、会場中のオバサマたちがあまりに切ない歌詞「どうせ2人はこの世では花の咲かない枯れすすき~」に涙していました。
私もその中のひとりです。

 

(文と写真 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆野口五郎の思い出
昔、KDDビルの32階にFM東京があったころの思い出です。ある日、今日は野口五郎が来ているというので電話オペレーターたちは休憩時間に32階まで出かけました。カラス窓越しにライブで野口五郎をちょっと見て早く職場に帰らないと休憩時間が終わってしまうとばかりに荷物用のエレベーターに乗りました。なんと野口五郎も同じ箱に乗っていました。オペレーターたち恥ずかし気に下を向いて黙って電話交換室の11階で降りたというわけです。鎌田光恵

01/20 鎌田 光


 

 

 2021年1月(1)

 

まちだより
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夢の宝くじ

 明けましておめでとうございます。丑年の皆様、重ねておめでとうございます。

 年末に「ジャンボ宝くじ」をお買い上げになった方々は、その結末はいかがだったでしょうか。運気に恵まれている方、数字に強い方などは、「買わなきゃ、当たらない!」とばかりに毎年欠かさず購入とお察しします。まさしく「継続は力なり」の格言も強い後ろ盾です。今回は、コロナの影響で大晦日の抽選会は無観客、年末特別コンサートも取りやめ、宝くじ公式サイトのクレジット不正利用の発覚など、多難だったとのこと。それでも当選者はいるわけで、きっとマスクの中から笑みがこぼれ出ているのではないかと羨ましい限りです。そういう私ですが、勝負運やくじ運には全くご縁が無いのか、神社のおみくじ以外、宝くじは人生一度も買ったことがありません。小さい頃に「宝くじに当たると交通事故に当たるのだ!」と自信たっぷりに言う友人がいて、それを鵜呑みにしてしまったことが「買えない」敗因かもしれません。この際、宝くじに当たる確率を真摯に受け止めてみようとネットで調べてみました。

 「15万円で500枚を買うと4万分の1の確率(1.25%)で当たる」のだそうで、ついでに、交通事故に遭遇する確率も調べてみると、「日本の人口1億2692万人が一生のうちで約67万人(0.528%)で当たる」と書いてあり、正月早々、数字で頭が痛くなってきましたがとにかく、宝くじのほうが当たる率は高いのだそうです。

 以前、宝くじ担当者から漏れ聞いたところ、「この仕事をしていて驚いたのは、普通のオバサンが普通に売り場に買いにくる。でも普通でないのが、金額だ」とのことでした。あらためて、そのオバサンはこの一年に死ぬ気で貯めたへそくりを夢のためにつぎ込むのだなとかってに納得しました。どうぞ、この「まちだより」の読者の中に当選者がいらしたら、こっそり当たるコツをお教えくださいませ。

 

(文 町田香子)

 

 

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2020年

2020年12月(2)
 
まちだより
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プロ集団の仲間入り

 今年も最後の「まちだより」となりました。お蔭様で今月21日に開催された今年最後のK-unet運営委員会も無事に終了しました。ソーシャルディスタンスを守りつつの会でしたが、久々の再会にマスク越しでも、皆様の目元から笑みを拝見できました。

 審議内容も滞りなく終わった頃、私の目下の悩みである「スマホの早すぎる充電切れ」の愚痴を聞いていただきました。なにせ近所のauショップでは、「もはや古いから新機種を!」「この既存の携帯番号を生かすなら2万円アップ」等々、ド素人の私は言われ放題、それでも充電器を購入してなんとか逃げ切ったのでした。するとすぐさま、皆様から的確なアドバイスをいただき、「アップルストアに持ち込む」「5780円ですむ」「新機種にさせるのは店が儲かるから」等々、さすがにこの運営委員会はITのプロ集団だなとしみじみ思いました。

 そして帰宅後は、今年1年間の「まちだより」を反省と改善を込めて読み直してみました。約20件の投稿は、ミスター・ゴーンやハリー王子の話題から始まり、高倉健、横山やすし、寅さんの芸能話から、緑のオバサンや小中学生の登校話、コロナ禍あれこれと思いつくままに書いておりました。そして4月の「保護された子猫を譲渡するまで育てるミルクボランティア試験」の顛末では落第したことを思い出し、改めて悲しくなりました。というのも、つい先週、動物愛護センターから「ねこ部通信」が来て、7人のミルクボランティアで「109匹の赤ちゃん猫」が無事に育ったことを知り、なんだか胸がキューンとなりました・・・。

 来年もまた、理系のプロの皆様には物足りない、文系町田の「まちだより」になりそうですが、どうぞ良いお年を迎えくださいませ。

 

(文 町田香子)

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆写真がいい、テーマがいい。

「まちだより」はおもしろい。定期的に街の様子を追い続け、写真とともに短い文をつけて便りを発信するエネルギーに感心します。

前回you-tuberになりたい子供の話、面白かった。その直後アメリカの子供がyou-tuberとして大成功したというニュースをテレビで見て納得した次第です。 鎌田

 

12/26 鎌田 光恵 


Re: 写真がいい、テーマがいい。
投稿日時: 12/29 町田 香子
>> 1

感想をありがとうございました!自分の投稿文とニュースがリンクすると、実に嬉しいですね。新聞は大事なネタがつまっているような気がしていて、好きです。これからも、ハッとするような情報に巡り会えるように、耳をダンボにしていきます!


 

 

2020年12月(1)
まちだより
まちだより

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ネギの魅力

 だいぶ寒くなってきた今日この頃です。うちでも3日に1回は鍋料理が食卓に鎮座ましましております。これだけ気温が低いと冷たい飲み物にも手が出ず、お蔭様で町田家ビール消費量も真夏に比べたら下降線の一途です。昨夕は、牡蠣鍋で前回は豚肉のしゃぶ鍋でした。この鍋料理の日々のせいか、夕暮れ時に買い物カゴにネギを入れた人を見かけるとホッコリした気持ちになります。思わず駆け寄って「今晩お宅は何鍋?」と聞きたくなる気持ちを抑えつつ、その家庭の鍋を囲んだ幸せそうな夕餉が心に浮かびます。

 実はこの「ネギ」を題材に、「まちだより」を書こうと思っていたところ、なんと朝日新聞のコラムに某作家が「ネギは魔術師」のタイトルで書いているではありませんか!彼曰く、「人がネギをさげている姿は無敵だ。どんな犯罪者もネギさえ持っていれば不審度は下がる。おまけに味と香りで料理を本物に変えてしまうネギは魔術師である」と。

 「ネギ話題」を先取りされた私の気持ちは、「ワー、私の題材よ~!」と地団太を踏むようでした。しかしながら読み進むうち、物書き特有の思慮深さに感銘を受け、ド素人の私が「ネギ論」を書いて対抗することはやめにしました。でもここは負けじと、ネギを使った美味しい鍋料理を作ることで溜飲を下げることにします。今夜は「ネギいっぱいのモツ鍋」です。

 

(文 町田香子)

 

 

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町田さんへのメッセージ


◆給食・食事 冬の鍋料理最高
いつもタイムリーな話題をありがとうございます。ピース松本

12/23 松本 房子 


Re: 冬の鍋料理最高
投稿日時: 19:23 町田 香子
>> 1

こちらこそ、感想をありがとうございました!何かタイムリーな話題がありましたら、お教えください!

町田


◆感性に乾杯

いつも投稿を楽しみにしています。感性というか着眼点ですね。

写真もずっとずっとお上手になりました。

12/23 京極 雅夫 


2. Re: 感性に乾杯
投稿日時: 19:30 町田 香子
>> 1
感想をありがとうございました!写真は、いつもウメ編集長のお力をお借りしています。笑。

何か面白い話題がありましたら、お聞かせください!

町田


 

 

2020年11月(2)

まちだより
まちだより

 

 

大きくなったら

  「大きくなったら何になる?」。そんな問いに最近は、「ユーチューバー!」と答える子が増えてきたそうです。どんな職種なのか、さっぱり私にはわかりませんでした。

 そもそも、ユーチューブというものは、この自粛期間中に「地獄の11分ダンス」で身体を動かしたり、1970年代のヒット曲を自宅で楽しむくらいなものでした。そこで「ユーチューバーとは何ぞや?」と調べてみると「自作の動画を投稿する人をさす。その動画の再生時間やチャンネル登録者数の条件を満たし審査を通ると広告収入を受け取れる」と書いてありました。そういえば、最近お笑い芸人が、月額1千万を越す収入があったと告白していたことを思い出します。「コツは毎日ネットにあげる、人気は本人の努力次第、演出能力が大切」などのようですが収入には羨望のため息が出ても、小難しくてやはり、マメでない私には無理なようです。

 昔の子どもたちは、女子は「お花屋さん」「お嫁さん」、男子は「車掌さん」「警察官」が定番で、聞いた大人も「オーッ、そうか、なれるといいね」が普通のリアクションだった気がします。そういう私も「国語の先生」になりたかったし、兄は「トヨペットのタクシーの運転手」でした。兄妹とも夢は実現しませんでしたが、それなりに60過ぎの大人になっています。

 今や、小学校低学年からプログラミングという授業でパソコンを自由に操る子どもたちが溢れているようです。「ユーチューバー」になりたい子が夢を叶えて幸せな人生を送ってほしいなと願うばかりです。でも幼稚園児のなりたいものに「大きくなたったら、ゾウさん」、「カボチャがいいな」という声を聞いたとき、そっちのほうになぜか限りない感動を覚えてしまいました・・・。

 

(文 町田香子)

 

 

 

 

2020年11月(1)

まちだより
まちだより

 

 

去年の今頃は・・・

 「行楽の秋」にふさわしい晴天が続くと、その強い太陽光線がまぶしくて、はじけたくなる気持ちになります。でも実際は、三密に怯え、お気軽に過ごしていた頃を思い出して「去年の今頃は~」と、懐かしむばかりです。

 そんな中、最近のスポーツ記事を読み、まさしく「去年の今頃」のある出来事を思い出しました。自宅近くのコジャレたイタリアンに家族で行ったところ、たまたま隣席が、長身の美女が3人。ノーメイクにジャージの人もいるのですが、その姿勢の良さと長い手と、素肌の白さに私の目が釘付けとなりました。しばらくして、颯爽と入ってきて合流したパンツスーツの女性も170センチ以上で、まるで宝塚歌劇団の男役トップスターのようです。その麗人が、まさにテーブル越しの私の隣りに座ったので、私はパスタを口に放り込みながらも、気になって仕方がありません!そして、ワインをそこそこ飲んで気がついたら、「すみません、もしや、宝塚の方々でしょうか?」と話しかけている自分がいました・・・。このオバサンの不躾な質問にキョトンとした美女軍団は、一斉に笑い出して、そのスーツの君が答えてくれました。「私たち、レッドロケッツのメンバーです」と。なんと、その軍団は我が川崎がホームの「バレーボールチーム・NECレッドロケッツ」の面々だったのです。

 さて、今季バレーボールのV1リーグが先月から開幕しました。現在彼女らは、昨季王者のJTマーヴェラスを打ち負かし、黒部・アクアフェアリーズに完勝して快進撃中です。キャプテンの「挑戦を続ける先に勝利がある」とのインタビュー記事に、あの颯爽としたスターのお姿が重なります。

 日本一まで頑張れー!

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年10月
まちだより
まちだより

 

 

緑のおばさん

 そろそろ大学の授業もリモートから対面授業へ、そして小・中・高校もそれなりに以前の登校の仕方に戻りつつあります。私の家の前の通学路からは毎朝、保育園児のワーワーキャーキャーした声が聞こえます。「オッ、ひよっこ軍団のお通りだ!」と、最近はその声が楽しみでしかたがありません。台所の窓から覗いてみれば、先頭の園長と思しき先生が、プロレスラーかと見間違うほど、屈強な男性だったので腰が抜けるほどビックリしましたが・・・。

 最近は、小学校前の横断歩道に「緑のおばさん」も登場で安心です。日常に戻りつつある登下校が嬉しいのか、子どもたちもマスクをしながらも、じゃれ合い叩き合っています。微笑ましく見ていると突然、そのおばさんが、「ダメじゃねーの、いくら親戚だって、叩いたら!痛いでねーの。何があったんだー?ふざけねえで、ちゃーんと歩けってば。ほら、あぶねえぞ」と大声で諭すではありませんか?思わず、ここは東北?と一瞬、錯覚に陥りました。

 それにしても、なぜおばさんは、あの学童が親戚同士と知っているのか、怒られても、なぜあの子たちは嬉しそうなのかと、その日は一日中、考えました。そして結論は、あのおばさんのキャリアは昨日今日で築き上げられたのではなく、「学童擁護員としての緑のおばさん道」として、たたきあげのプロだと畏敬の念を抱きました。そして、現在すべてのボランティア活動が休止中の私は羨ましくてたまらなくなったのでした。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年9月
まちだより
まちだより

 

 

マスク美人

 道行く人は、全てマスク、マスクの日常です。コロナ感染防止策の一手段だったのに、最近は「マスクがファッションになった」という風潮を感じます。ホラー作家の平山夢明氏が「マスク美人が多くなった」と言えば、瀬戸内寂聴さんは「マスクは魔物」とまでおしゃっています。確かに、マスク姿の眼光鋭い男性や、大きな潤んだ目のお嬢さんと相対して話しをすれば思わず、理想的な顔立ちをかってに想像して見惚れてしまうかもです。

 私は、マスクがファッション化した一因はテレビで報道される政治家たちの個性的マスクのインパクトにあると思います。特に都知事・小池百合子氏のマスクには興味がありました。2度とテレビで同じ物を見たことが無いし、生地もレースなどの高価で凝ったものが多く、手作り感が満載です。お忙しい百合子氏がまさか、ご自分でお裁縫はなさらないと思ってましたから、記者会見で「ご近所の方の手作り品です」との答えを聞いて、「わが意を得たり」と私のホームソーイング熱が再燃しました。自粛期間中、朝日新聞に掲載されていた「ハンカチからマスクへ」の型紙を元に、子どもたちの幼稚園の頃のハンカチを引っ張りだしてきて縫うこと5枚!

 これを付けて商店街を歩くと、小さな子どもたちがキラキラした瞳で、嬉しそうに私を見つめるのです。思わず「なぜ?」と不思議だった私の疑問は、同じ歳の友人の一言で解決しました。「町田さん、いまさら、ちびまる子やキティちゃんの柄でもないんじゃない?」。

 きっと、子どもたちには、私は「マスク美人」じゃないけど、「楽しいマスクおばちゃん」くらいには見えているのではと、遊園地の人気者気分を味わっています。

 

(文 町田香子)

 

 

 

 

 

まちだより
まちだより

 

 

怒りのゆくえ

 すでに暦は秋だというのに、相変わらずの高温多湿の日々では、どうにも身体がついていきません。

 そんな蒸し暑い昼下がり、少しばかりの庭のゴーヤやキュウリに水をやろうと、重い腰をあげて外に出ると、オジイサンらしき怒鳴り声が聞こえるではありませんか。その声の主はと見れば、道を隔てた医院の前で、バイクの郵便配達員に向かって、「入口のまん前に止めるとはけしからん。ワシの自転車が出しにくいじゃないか!」と憤懣やるかたなし状態です。その配達員はひたすら頭を下げてあやまっているのに・・・。私は、「この36度の炎天下、郵便物を届ける人に感謝もないのだろうか!可哀想過ぎる!」とオジイサンの理不尽さに腹がたちました。

 怒りという負の連鎖を貰ってしまった私はどうにも怒りの落としどころが無く、しばし呆然と立っていると、その配達員がうちの前に郵便物を届けにきました。思わず、「この暑い中ご苦労様です。今度医院の前で何か言われたら、うちの前でゆっくり止めてください。頑張ってくださいね」と震える声で励ましの言葉をかけてしまいました。すると、その彼から、「ありがとうございます。実は今日がこの地域の初日で要領がよくわからなくて」と、何事にも動じない声を聞いた途端、安堵からか涙が出そうになってしまいました。彼の凛とした郵便配達員としての態度は、「オジイサンより大人だ!」と私にとって、怒りに打ち勝つ速攻カンフル剤を貰ったようでした。

 そういえば、学生時代は、どんなに「アタマにくる事」や「イラつく事」があっても、合気道を道場で1時間も稽古すれば、きれいサッパリと忘れて、授業に出ていました。今では、「ああでもない、こうでもない」と悩む私は、古代ギリシャのエピクテトスの有名な言葉「幸福への道は1つ。意思の力でどうにもならないことは悩まないこと」に励まされています。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年8月
まちだより
まちだより

 

 

若き日のアルバイト

 今や、猛暑とコロナ禍で外食もままならぬ日々ですが、料理のデリバリー産業が脚光を浴びているようです。街を歩けば、上から下まで黒ずくめで、「UberEats」と書かれた、角ばった黒リュックを背負い、自転車で疾走している男性をよく見かけます。そのリュックの横には、この炎天下、「これだけで足りるの?」と私ごときが心配するようなペットボトルの飲料水がチョコンと入るポケットがあるだけです。そういえば、このバイトの方々に太った方も女性も見受けられません。どれだけ過酷なのでしょうか。

 先日、ファストフードショップのジュースの列に並んでいたところ、この黒ずくめの方がツカツカと列の前に行き、あらかじめ予約していたと思われるスマホの番号を見せて、商品をゲットすると、脱兎のごとく走り去っていきました。その無駄の無い彼の動線や、プロサッカー選手にも見間違う素早い動きに、ひたすら見とれました。そして思わず「若くなきゃあ、できないバイトだ・・・」とつぶやきました。

 私の若い頃は、父親よりも母親がバイトには大反対でしたが、それでも内緒で探しては敢行しました。憧れのマクドナルドでは、体育会系の大きな体の店長にいつも、「吉岡―っ!」(私の旧姓です)と、どやされましたし、航空写真の色塗りバイトでは、ミリ単位の細かい作業だったので、視力が落ちてバイト代で眼鏡を買いました。テレビ局の選挙時のスタッフへの弁当配りは暇すぎましたが、いろいろな芸能人を見かけ、その身体の細さにテレビの画面は嘘つきだと思ったりもしました。

 社会人になっての飲み会では、皆「若き頃のバイト自慢」で、よく盛り上がりましたっけ。しかしある時、先輩の一言で座が静かになりました。「学生時代は学費のために牛乳配達に明け暮れた。でも、ありがたかったのは毎日あまった牛乳を飲めたことで、それは命の糧だった」と・・・。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

 

まちだより
まちだより

 

 

心に優しい言葉

 東京のコロナ感染者が一日で500人突破もそう遠くないであろうと言われている昨今ですが、怖いものに蓋をするがごとく見ざる、聞かざると、読書に励む日々です。先日なにげに手にした本の中で、フランスの二十歳の女性イラストレーターが書いた「翻訳できない世界の言葉」という本がありました。字が小さいとか横文字が多いなら、2~3ページで「やーめたっ」となるのですがページをめくってみると、あらあら、可愛いイラスト付きで色々な国の言葉が、お国柄を表していて面白いのです。そして、なにより彼女特有の翻訳が心に響きました。たとえば、ノルウエー語で「フォルスケット」は「語れないほど幸福な恋に落ちること」、ロシア語の「ラズリュビッチ」は「恋が冷め、ほろ苦い気持ち」、ペルシャ語の「ティヤム」は「初めてその人に会ったときの自分の目の輝き」などなど、なんてロマンティックなのでしょうか。そして、思わず笑ってしまったのは、マレー語の「ピサンザブラ」は「バナナを食べる所要時間」、インドネシア語の「ジュユス」は「笑えないひどいジョーク」、極めつけは、カリブ・スペイン語の「コティスエルト」で「シャツの裾をズボンに絶対入れない男」でした。

 行ったことのない国に存在するステキな言葉によって、しばし優しさに包まれた感じがしました。ちなみに日本の言葉では、「わび、さび」「こもれび」などが翻訳しにくいそうですが、私も彼女を見習ってどこかの国の一人でも心の琴線に触れるように日本語を訳したいなと思いました。

 

(文 町田香子)

 

 

 

2020年7月

まちだより

 

 

女子会こぼれ話

 最近、東京のコロナ感染者がまさかの200人越えですが、先月の自粛生活緩和後にこのようなことが起こるとは、まるで悪夢を見ているような日々です。

 緩和後にまず私のしたかったことは、いつもなかなか会えないひとりの後輩女子とのおしゃべりでした。彼女とは、同じ神奈川県在住で、同じ出身校、そして父親同士が「海軍経理学校」の先輩後輩にあたるという偶然にしては極めて珍しい出会いがありました。そして彼女の仕事は、南太平洋に浮かぶ、とある島のホテルの幹部です。このコロナ騒動の煽りを受けて、そのホテルが休業、飛行機も日本から飛ばなくなってしまったのです。「ホント、ヒマ~!」という悲鳴にも似た彼女のメール文字を見て、さっそく返信、半年ぶりのランチと相成ったのです。

 彼女と私が会えば、天国の父たちをサカナにノンベエ同士が一気に盛りあがるのは、同じ海軍の血が流れているから当たり前と思っていたのですが、今回は彼女が「大好きな父への想い」を吐露し、こちらまで胸が熱くなりました。彼女の父上は靴磨きを日課にしていて、その背中を見ていた彼女は2歳から父上の靴磨きに励んだこと。お駄賃なんて何のその、ひたすら父上の喜ぶ顔が見たくて毎日磨き、父上の後姿が見えなくなるまで、毎朝手を振って見送ったとのことでした。そして父上が出かけたあとの玄関の上がりかまちの下には、「男の下駄」しか置いてはいけないという鉄則があったというのです。意味がわからない私に彼女の答えは、「押し売り防止策の父の知恵」でした。そういえば小さな頃、うちの玄関先に「昨日、出所したんだけど、ゴムひも買ってくんないか?」というわけのわからないオジサンがよく来て、しかたなく買っていた母親の横顔を思い出しました。彼女の父上のもう1つのルーティンはお風呂の時に自分の下着を洗うことでしたが、それは私の父も同じで、なぜか、いまだに娘の私にも受け継がれています。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年6月

まちだより

 

 

本に囲まれる幸せ

 自粛生活もなんとか明けて、私にとって一番嬉しいのはなんといっても図書館の再開です。といっても館内の閲覧はまだできませんが、ネットで予約していた本の受け取りが可能になりました。開館前日に7冊にも及ぶ「予約本・確保」メールを見たときには、図書館に行く事がまるで、明日の遠足を心待ちにする小学生のようなワクワク感に包まれました。まさに、私の巣ごもり生活からの初の脱却行動です。待ちに待った7冊を自宅の机上にドカンと乗せたときの私のニンマリ顔は、多分、不労所得で100万円の配当金を貰った株主のような、いや、予想屋からのアドバイスで大穴を当てた競馬ファンの喜びの顔だったかもしれません。

 しかしながら、ここからです。長く待たされた割には、肩透かしを食らうことは必ずあるんだと思い知らされたのは。「高倉健・その愛」は、筆者である養女が書いた内容がどうにも納得がいかず途中で投げだし、またタイトルが気にいった「ハジの多い人生」というエッセイ集は、どんなくたびれたオジサンの笑える黄昏た内容かと思いきや、Web育ちでニューヨーク在住の綺麗な女性で、その幸せ感満載についていけませんでした。

 でも、くじけず読書生活を敢行、最後の7冊目に、思いがけない本との出会いがありました。国民的人気者・寅さんをとその周辺人物をめぐる謎を検証した「車寅次郎の不思議」です。時代を問わず、26年間48作にも及ぶ寅さんシリーズの寅さんの温かでシャイな性格に触れて、現在も続くコロナ騒動の不安な日々をしばし忘れました。そして、この本の完読後に思いがけないハプニングが!ある会合で、地元の49歳の若手社長と話す機会がありました。彼曰く「渥美清さんの息子さんの田所君とは高校時代にクラスメートだったんです。息子って知らなくて、『寅さんて、メチャクチャ面白いよな。俳優は渥美清が最高だし、歌手は絶対Nだぜ!』と言ってたらその後、田所君から、歌手Nのサインを突然プレゼントされたんです」とのこと。やっぱり寅さんは、良いパパだったのだなあと思いました。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

 

まちだより

 

 

誕生日を迎えて

  6月もあっというまに、梅雨入りの季節となりました。旧暦「水無月」は、水の無い月と書くのに、雨ばかりではないかと毎年同じことを考えながら、これまた毎年この水無月8日には誕生日を迎えます。6月に入っての1週間は、なんだかソワソワしてどうにも落ち着きません。スーパーに行けば、牛乳でも賞味期限が「6月8日」を思わず手にしていますし、野球の試合でも背番号68番の選手はいないかと、やけに「その日」を意識している自分がいます。今や誕生日とは、老いていく1年を「せっつかれ感」に押され、焦燥感に駆られるのでしょうか。「何かやらねば」と、「為せばなる」といったよくわからない感情が一日中交錯します。

 小さい頃の誕生日は単純に最高に嬉しくて、世界中の人々が自分を祝ってくれるような高揚感がありました。若い頃には、単に同じ誕生日というだけで、作曲家シューマン、天文学者カッシーニ、歌手のナンシー・シナトラなどとは、仲間意識さえありました。しかし、あるとき、20世紀前半に活躍したフランスの有名な女性画家マリー・ローランサンの亡くなった日を見てビックリしました。まさしく私の生まれた日だったのです。長年「徹子の部屋」の番組のセットで飾ってあった、パステルカラー調の女性らしい絵で私もファンでした。ピカソとお友達で、フェミニンそのものの彼女に「私は、ローランサンの生まれ変わりかしらん」と一瞬でも思ったことを失礼と思ったのは、彼女の写真と詩に出会ったときでした。ピシっと背筋の伸びた細面の彼女が書いた詩を、あの堀口大学が訳していました。「死んだ女より、もっと哀れなのは忘れられた女です」。私にはない素晴らしい感性の持ち主だとしみじみです。

 

(写真と文 町田香子)

 

2020年5月

まちだより

 

 

早朝散歩

  寒かったり暑かったりの日々に、体調管理も難しい中、自粛生活も約2ヵ月になりました。ジムも喫茶店も、はては最高の趣味である図書館通いも遠のき、行き場の無くなったこの私を、家族の目が、いや、飼い猫までもが最近は憐れみの視線に変わってきた今日この頃です。毎日、真面目に裁縫、料理、掃除に励んでいたのですが、スカートやズボンを仕上げれば仕上げる程、着ていく所が無いという寂しさを感じ、凝った料理を作れば作るほど、体重増加との葛藤が始まり、庭掃除は腰痛のと闘いが待っていました。追い打ちをかけたのが早朝に目覚めてしまったら、もう目が冴えて眠れないという睡眠不足でした。

 そんなある日、思い立ったのが早朝散歩です。眠れないなら起きてしまえ!という安易な発想でしたが、これがけっこう、自分に合うのです。自宅近くの公園3ヶ所を日替わりでその日の天気と体調に合わせて往復歩きます。どの公園にも散歩グッズとして、自作のコーヒー、本、新聞を三種の神器のように持参します。驚いたことに、私のような散歩の人がすでにベンチを占領しているときもあるのです。

 この早朝散歩には、時々ドラマがあります。先日は、朝から缶ビール片手のオジサンが、若きパパと坊やのキャッチボールを異常とも思える褒め方で応援、コンビ二の袋からお菓子をあげていましたっけ。飛び上がって喜ぶ坊やの姿が実に可愛らしかったです。今週もハプニングがありました。公園近くの豪邸のアーチに咲き誇る大輪の白バラが、「どうぞ、トゲに気をつけてお持ちください」との紙とともに切花となって玄関前に置いてあるではありませんか。思わずバックからペンと手帳の端切れに、「ありがとうございます。3本だけいただいて、自宅で飾らせていただきます」と書き置きを残しました。いまだに、我が居間で高貴な香りを放ち、幸せな気持ちに包まれています。

(写真と文 町田香子)

 

 

 

まちだより

 

 

頑張れ 中学生!

 電車の乗り方も忘れてしまったような日々を過ごしていますが、振り返れば現代は駅も駅の看板も見事な発展を遂げてきたなあと思うことがあります。

 「バカ者がりっぱな会社に入れるわけがないだろ」。そんな声が聞えてきたのは、去年末の実家がある東急線大岡山駅のホーム。見れば3人の中学生が、ホームの看板広告を見ながらブツブツと話し合っています。彼らの視線の先を追えば、『求めているのはバカ者!』という強烈なキャッチコピーで、広告主は某エンジニアリング会社。なるほど、彼ら中学生は、このような奇をてらった宣伝文句に「理解できない!高校受験を目指して頑張っているのに、『バカ者』を求めるとはなにごとぞ!」と現実の厳しさを言いたかったのかもしれません。それにしてもこの駅看板、見回すと、どの企業もそのアピール度の強さに、驚きます。

 『一流を世界へ』が、某重機会社なら、某IT企業は『常識を越える発想と技術で世界を驚かそう』と、もはやグローバルに飛んでいます。東工大の最寄り駅であるので、このような理系企業のアピール広告が多いのでしょうか。某転職サイト看板は、『東工大、卒業した先輩たちはどこで活躍?』とOB訪問まで載せています。「よく来たね」と喜んで迎えてくれる先輩たちと巡り会えればよいなと、祈りたくなりました。

 私が引越しをしてきた50年前の大岡山駅は、くすんだ緑色の目蒲線が、カンカンと鳴る踏み切りを通る牧歌的な駅でした。でも今や、覇気を与えてくれる看板に埋め尽くされています。何か生き馬の目を抜く日本の最先端技術開発の激しさを彷彿とさせます。やる気にさせる啓発看板も大事だと思うのですが、去年、中刷り広告で文字だけの、今も忘れられないポスターがあります。それは「人をぶっちゃダメなんだよ」という暴力行為防止ポスターです・・・。

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

2020年4月

まちだより

 

 

二世いろいろ!

  世の中で、想定外の困難事が勃発するとパチンコ屋が儲かり、お笑い番組の視聴率が上がると聞いたことがあります。私は昭和の傑出したお笑いは、「西川やすし・きよし」の漫才コンビだと思うのですが、先日、その「やすし」さんの息子の「木村一八」氏が普通にインタビュー番組に出ていて驚きました。

 10代でデビューし、ワルなのに寂しそう、未成年なのに逮捕時に実名で報道されたスキャンダラスな彼が、なんと181センチの大きな50歳のオッサンになっていたのでした。いまだに父親ゆずりの、アウトローな雰囲気は否めませんが、その彼の受け答えが、雄弁かつ、話の落しどころが実にうまいのです。父親を亡くして、やっと反抗期が終わったと語っていましたが、その呪縛が解けたような明るさに、やっぱりやすしさんの「話し手」の血が脈々と息子に流れているなあと実感しました。あらためて、政治家や歌舞伎役者の子もしかり、「親の背を見て子は育つ」という諺を思い出しました。

 かくいう私の実家は、祖父、父、兄と同じ某新聞社に勤務し、親子三代は珍しいと、ほとんど新聞販売店のように間違えられておりました。しかし、三代続いた職歴はここまでです。兄の長女はアクセサリー作家で店を持ち、次女は陶芸家の卵に育ちました。親とは別の道を歩んでますが、手先の器用さは日曜大工好きの兄の血を引いたと、妹の私は確信しています。 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

 

 

 

まちだより

ミルクボランティア挑戦の結果!

 前号に書きました「子猫ミルクボランティア資格取得」の結果が出ました。巷では、まだ桜はそんなに散ってはいないのに、見事にうちでは「サクラチル」という幕引きでこの挑戦が終わりました。

 やはり、最終段階の「町田家は飼育に適した住環境か」の獣医さん達の訪問がネックとなりました。忘れもしません、小学校の家庭訪問の親のように緊張し、獣医さんを迎えたあの日です。1週間前から掃除に励み、息子が「捨てないでくれ」と置いていった仏間のダンボールのレゴや壊れたエレキギターを納戸部屋に放り込み、掃除機をかけてスタンバイ。前夜には宿題を忘れて先生から叱られるという私のよく見る悪夢にうなされてもなんのそのと、お待ち申し上げました。 

そしていらした獣医さんのとった行動はさすがで、私の想定外でした。お風呂場を観察、いかに飼育する部屋と水場が近く、また衛生的であるか、写真をお撮りになり、また先に飼っていたうちの保護猫ハナコに質問が集中しました。「家ネコなら外に出ませんね」と聞かれ、「すみません、ノラ出身なのでどうしても築70年のこの家のどこかのすき間から出入り自由なもので」と答えると「すき間をふさがないとネズミやハクビシンが入って危険です」と返されました。そこで思わず、なんのとりえもない子どもを褒める親バカのように「それが、このハナコ、ネズミをやっつけてくれたんですよ!」と威張ってしまったのが、運の尽きでした。そのとき、獣医さんのマスクの上の目が大きく見開いたのを見逃しませんでした。

 後日、結果は獣医さんから、「やはり先住ネコが運ぶ菌が赤ちゃん猫の命を落とすことになりえます」と、わざわざ電話でナマのお声を聞けたから納得です。私の半年間にも及ぶ研修はハナと散りましたが、膝に乗ってくるハナコがもっと愛おしくなったのが不思議です 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

 

まちだより

開花の知らせが届くようになりましたが、今年はどうも花見は無理そうです。ささやかですが、この「まちだより」でお楽しみください。


ミルクボランティア

 小さな時から犬も猫も飼っていて、部類の動物好きです。学生時代、就職先は上野動物園だと真剣に考えたこともありました。なので、去年の秋に川崎市の広報紙で「ミルクボランティア募集」を見たときに思わず応募したのです。

 その記事は、「動物愛護センターに収容される野良猫の半数近くはまだ目も開かない幼猫である。その子たちの命を救うために、一般市民からミルクを与えるボランティアを募集、離乳したら譲渡会に出して暖かな家庭に送り出す」という内容でした。生まれたての手のひらサイズのベイビーキャットにミルクをあげるなんて、まるで夢のよう!と勇んで、センターでの最初の講習に出席しました。しかし、その厳しい内容にこれは大変な事になったと一瞬、思考が止まりました。

 まずは、犬猫に関する法令や適正飼育などを学び、次に具体的な飼育方を教わりました。ケージや粉ミルクの自己負担は良いとしても、毎日体重を測ってメモし、授乳のため昼間の外出は3時間以内、夜中は2時間おきに授乳とのことです。こりゃあ、子猫を助けるよりも60歳を過ぎた私の命のほうが危ないと思い、家族に応援を要請しました。年末の2回の研修後には理解度の小テストがあり「乗りかかった船だ、最後まで降りぬ」の父ゆずりの血でなんとか無事に合格しました。しかし今年1月に待っていたのは個別面接でした。面接試験など、40年前のKDDの就職試験以来です。緊張しながら面接室に入ったら、なぜか薄緑の職工服の方々がズラリと並んでいます。KDD研究所を思い出していたら、全員が獣医さんとわかりました。これも無事突破したのですが、今月大きな最終段階が立ちはだかっていました。「町田家」が飼育可能な家かどうかの獣医さんたちの訪問です。

 この顛末は今度書かせてください。まだ合否結果は出ていないのですが「サクラサク」を信じる毎日です。 

 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

 

 

 

まちだより

元気いただきました!

 新型コロナ感染ニュース関連の情報が多すぎて戸惑う日々が続いていますが、この暗雲を吹き飛ばすごとく元気な方々とお会いしてきました。それは、父が卒業した「海軍経理学校第35期」の同期会です。御年95歳のカクシャクとした男性3名様を、私たち二世がお迎えしました。父親をすでに亡くしている二世たちですが、父親の面影を求め、開催のたびに参加させていただいています。

 この3名の方々のお元気な事と言ったら、もはや一緒に会っていただきたいほどです。まずはA氏、大阪からの夜行バスで東京に着くやいなや、靖国神社に参拝して会場へ。2番目のB氏は未だに現役の公認会計士さんで、社名を聞けば誰でもわかるパン会社の設立当時からの重鎮。私が「あのパンのモチモチ感、良いですねえ」と申し上げれば、少年のような笑顔が返ってきます。極めつけの大トリは、舞鶴の海上自衛隊の元総監で航空母艦「鵬翔」に乗っていたC氏。今年中には免許返納するとおっしゃりながら、電動自転車は毎日乗車、夕食のお買い物は欠かさないとのことです。しかしながら、月に1、2回は自転車ごと、ひっくり返るそうで、「なんで、転ぶと骨にヒビが入るのだ!しかしながら、ほっとくとくっつくから不思議だ!」と平然とおっしゃるので、こちらのほうこそひっくり返りそうでした。ビール瓶の栓をまだ自前の歯で開けられるとの一言には、「やってみたまえ」と命令されたらどうしようと、思わず自分の歯を隠しましたっけ。

「貴様のあの相撲は強かった、しかし水泳はオレのほうが上だ」などと負けん気の強い若き主計科候補生に戻った95歳の方々の背筋はいまだにピンとしています。遠い昔の帝国海軍の底力を彷彿とさせるあの方々には、菌も怖くて寄り付かないだろうと、元気をいただいた若輩者でした。 

(写真と文 町田香子)

 

 

 

まちだより

冬の花

 長崎の後輩から、梅の花の上で鳴くウグイスの写メが送られてきました。梅に続いて、春の花であるフリージアやチューリップが咲き始めればその華やかさに、冬の花であるシクラメンやスノードロップの影が薄くなり、今その花々に愛しさが募ります。

 冬の花といえば、記憶に残っている映画があります。40年以上も前に観た、字は違えど「冬の華」です。高倉健主演の映画でしたが、はっきりと記憶に焼き付いていのるは、出所したケンさんが、組が用意したアパートでパンにイチゴジャムをつけて食べるシーンです。それも真っ白な食パンと真っ赤なイチゴジャムのコントラストが鮮やかで、パクつくかと思いきやジャムの香りをかいでから、再びテンコ盛りに乗せてかぶりつくケンさんの姿が印象的だったのです。20歳の私は、鉄格子から放免になった男の人は、こんなに美味しそうにパンを食べるのかと、ビックリしましたし、あれほど真っ赤で綺麗なジャムには2度とお目にかかったことはありません・・・。

 今や、ケンさんも亡くなってしまい6年がたちます。命日は、父と同じ2014年の11月でした。ケンさんが、ジャムなら、父はマーマレード派だったし、おまけにアンパンには必ず「おい、バターだ!」なんて言ってたなあと思い出にふければ、冬の草原にポツンと立つような寂しい自分がいます。なぜか、冬の花たちよ、春の花に押されず、いつまでも元気で咲き誇っていいんだよとつぶやきたくなりました。

 

(写真と文 町田香子)