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2023年

12月(2)
 
 

 

 

 

 

1年の終わりに  

 

 先日、今年の私の念頭にあった「母の七回忌」の法要を無事に終えることができました。
 母が亡くなって6年の間に、孫の一人が結婚し、ひ孫が誕生したりと、年月の早さを感じながらホッとした年の暮れを迎えています。この母の七回忌にあたっては、久々に4家族が一同に会することになり、私も兄も色々とミッションを進めておりました。一番最初に決まったのは、法要後の会食の店というのですから、宴会好きの兄妹の血はやはり争えません。そこは、50年前から家族で通った元町中華街の兄の同級生の店で、母が大好きな店でもありました。
 お寺の和尚さんから、「当日は、お母様のお好きだったお菓子などのお供物をご持参ください」と言われていて、兄嫁が、「眞子様の夫の小室圭君のママが昔働いていた有名なケーキ屋さんのバームクーヘン」を買ってきてくれましたし、私も月命日の墓参で飾る花よりは奮発して、カサブランカ・ユリを持参しました。当日は、前日の嵐のような大雨が嘘のような快晴で、皆の集合場所がお寺でなかったら、ほとんどピクニック気分です!2才のわんぱく坊主や赤ん坊が読経中に暴れたり、泣き出したりしたらと、心配は尽きなかったのですが、2才児は般若心経を「ニャーニャー」言いながらご唱和しているし、1才児は我関せずとグーグー寝っぱなしでした。
 全てクリアー、滞りなく終えそうだと思った瞬間、やはり静かなるハプニングが起こったのでした!和尚さんの読経中、右方向に横向きに座っている若いお坊さんがユラユラと船を漕ぎ始めたのです。目をつぶって動かなければよいのに横に揺れ始め・・・。いくらなんでも、師匠が働いているのに、弟子が居眠りとは!私は座禅に使う棒・警策(きょうさく)を探して「喝―!」と、後ろから振り下ろしたくなりましたが、母の慈愛に満ちた顔が浮かびやめました。
 そしてついに迎えた会食は、「バーバ」の思い出話で大盛会となり、飲む気満々で車を運転せずに来た全員は、無事に東急東横線に乗って帰路に着いたのでした。
 
 2023年の最後の「まちだより」となりました。この1年、続けてお読みくださりありがとうございました。
 皆様どうぞ良いお年をお迎えください!

写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ お経の効能

 香り子ちゃん、今年も頑張りましたね、名文の連続、絶句です。家族みんなでの会食、いいですね、私の夢ですが、この世では、恐らく実現しないでしょう。小坊主がこっくりこっくりは、和尚さんの名読経のお陰でしょ、お経を聴いていて天国に登った境地なんです。和尚さんをほめてあげてください。今年も立教の紅葉、黄葉綺麗でしたよ、前の歩道の拡幅工事で当分うるさいですけど、たまには池袋へ出入らっしゃい。じゃあ 来年も名文を期待しています。***

12/15 樫村慶一


樫村様

ご感想をありがとうございました!お褒めに預かり光栄です。月に2回書いておりますと、今年も23稿{今年5月に1回お休みしましたので}掲載することができました。これもすべて、楳本編集長をはじめ、樫村様、坂口様のお助けと、何かと読んでくださる皆様のお力があってこその「まちだより」と思っております。特にクレームもこず、自由に書かせていただき、7年間も続けられたのは、感謝しかありません。

お身体にお気をつけて、またステキなお写真をよろしくお願いいたします。

12/17 町田香子


 

 

12月(1)
 

 

 

 

忘年会の季節 となりました!  

 

 

 忘年会の季節到来です!といっても、コロナ禍も影響してか、私の場合は今やすっかり縁遠くなってしまいました。若い頃は誘われれば断ることを知らず皆勤賞もの、あげくには飲みすぎて寝不足と体調不良で、すぐにインフルエンザにかかっていました。それでも色々なお店で色々な団体さんに出会った思い出があります。
 たとえば、お化粧っ気が無い、10人の清楚なお嬢さんたちが静かにおしゃべりを楽しんでいた女子会。でも、その地味さとは反対に、オーダーするのは、高級食材の値の張る料理ばかり!なんてリッチなんだ、自分たちのショボイ宴会とは違うと思いながらも、数々の料理を綺麗に完食して行く姿は、逞しいほどです。洩れ聞えてくるのは医療の話ばかりで、なんと、近くの大病院の白衣の天使さんたちとわかりました。人の命に向き合い、身も心も疲れている日々に、やっと同僚と飲める一夜だったのでしょう。栄養たっぷり、美味しいものをたくさん食べて、明日への糧にしてほしいなと応援したくなりました。
 また、ある年の暮れには、不思議な団体さんの隣りに居合わせたこともありました。ひそひそ話に興味深々で、思わず観察していると、リーダーらしき人の「ハイ、それでは〇〇線△△駅しゅっぱーつ!」の第一声が。次々に「●●駅、定時通過ー!」、「よーし、▲▲信号場30km減速進行―!」との号令に、全員が目をとじ、身体も自然に右カーブに対応するかごとくに斜め30度に傾いているではありませんか。はて、この団体は?鉄道オンチの私でもすぐわかりました。そうです、JRの運転手さんたちでした。全員が白髪なのに少年のごとく、1本の列車に思いを馳せ、マイ・トレインを運転している姿は、本当に幸せそうでした。
 気の合う仲間と共通の話題で杯を重ね、1年の労をねぎらい、来年も元気で会おうと約束してお開きにする。これこそが、最高の忘年会の過ごし方でしょうか。年末は二日酔いでフラフラしている私ですが、いつもこの時期に思い出す光景です。

 

写真:樫村慶一
映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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11月(2)
 
 

 

 

 

 

PCアートコンテスト 締め切り迫る!  

 

 ただ今作品募集中の、k-unet「PCアートコンテスト」は、今年で18年目を迎えます。すでに続々と応募作品が展示されていますが、今月26日の〆切り近しです!

 私も、スマホ撮りの稚拙な作品で、性懲りもなく毎年参加させていただいておりますが、去年はスナップ写真部門で、なぜか大賞をいただいてしまいました。

クリックすると大きく表示されます

 単にうちのどうしようもないネコが小鹿のオモチャに授乳しているように見えるフェイクもどきの写メでした。そのタイトルの滑稽さも笑いを誘ったのか、思わず1票入れてしまった方々には、それこそ感謝でした。ちなみに天から降ってきたような素晴らしい賞品は、なんと「NAS(ネットワークアタッチドストレージ)」!これを使ってレベルアップした「まちだより」に還元しようと思ったのですが、たまたま実家に帰省していた息子に「オッ、こりゃあいいや。おっかさんには無理で~す!」とばかりに、風のように持ち去られました。きっとNAS君は、このオバサンに壊され使用不能になるよりも、機械オタクの若者の家でイキイキと動いていると思います。

 そういえば以前、k-unetに入会したての頃、このコンテスト入賞者の賞品選びと発送のお手伝いをしたことがありました。定番の文房具以外に女性物が身近で選びやすく、お一人お一人に郵送していました。一番喜ばれたのはスカーフで、「妻に献上します!」とのお言葉に気を良くしていたら、たまたま髪の毛のあまりフサフサでない男性に「髪留め」が届いてしまい、かなり反省しました。その後はamazonを使いこなす委員の方が全面的に担当してくださり、ギフト直送になり、お役御免と相成りホッとしました。
 現在、このコンテストに関わられている担当者の方にお聞きしたところ、ホームページへのアップ、投票数の計算、受賞者への賞品の選択と発送を、お二人だけで分担して行っていらっしゃるというのですから、本当に頭が下がります。

 26日の〆切りまでに、より一層、応募作品数が増えることを祈ります!

 

文:町田香子

 

 

 

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11月(1)
映像制作:坂口行雄
映像制作:坂口行雄
☞ 映像画面にカーソルをおきスピーカーマークをクリックするとBGMが流れます。
 
このボタンをクリックすると、「趣味の広場」の「音楽のページ」で特集中の伝説の神童 渡辺茂夫のヴァイオリン演奏をYouTubeで聴くことができます。

 

 

 

秋の利き酒 大会参加!  

 

 

 秋の味覚の中でも、日本酒党にはたまらない「しぼりたて」や「ひやおろし」の秋酒の季節となりました。埼玉県熊谷市の「権田酒造」さんから、4年ぶりの「清酒・熊谷直実」7種の利き酒大会開催の吉報が届き、往復5時間・滞在時間2時間の強行軍もなんのそのと参加してきました。
 実は、ここ権田家を切り盛りする女将が、学生時代の後輩なのです。彼女から、杜氏である夫と息子さんたちが寝る間を惜しんで酒を作り上げる行程を聞けば、日本酒に強くない私でも感動ものです。そして、利き酒大会のあとに振舞われる地産地消の食材を使った手作りの天ぷら、煮しめ、カボチャサラダなどは絶品で、これを目当ての参加者も多いのです。
 利き酒大会のルールは、まずAテーブルの7種を飲み、次にBテーブルの7種を飲んで同一の酒を味や香りで当てるというものですが、7種×2回では、たとえ少量ずつでも、私は酔いがまわってきて、利き酒もどこへやらです。50人の参加者からも良い調子になった方々が「柿ピーがほしい!」、「この酒が一番うまい!」、「立ち飲みの気分だ!」などなど、大きな声の一人言の可笑しいことといったら!私語禁止も破り、ワイワイガヤガヤと隣り合わせの人と話せば、元校長先生や、住職や看護士さんだとわかり、いかに地元の「直実」が愛飲されているのがわかりました。
 はてさて、帰りは熊谷駅前にそびえ立つ、源平合戦で名を馳せた熊谷直実像に「日本酒で足を取られず無事に帰れますように」とお願いし、湘南新宿ラインに飛び乗りました。結局車内でも、お土産の山菜料理をツマミに同期のワイン好き女子とビール好きな私とで乾杯、ホッと一息つきました。ちなみに、あとでわかったのですが、7種のうち私が一番美味しいと感じたのは「直実の大吟醸」で、一番値が張るものでした。一瞬、利き酒師の道が浮かびました・・・。
 
 
映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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10月(2)
 

 

 

 

 

かかってきました、 オレオレ詐欺電話!  

 

 すでに全盛期を過ぎたと思っていた「オレオレ詐欺電話」。しかし先日、それは突然にありました。
 電話を取るやいなや「オレ、オレだよ!町田だよ!」との図太い声が!
 まず、うちの家電話に「オレだよ」とかけてくる男の人が思い当たりません。数少ない親戚の人はもっと丁寧な声だし、息子もラインの返事だってめったによこさない電話嫌い、夫は終日うちで居眠りしています。それにしても、自分の名字を大声で自分の家に電話をかけてくるとは、どう考えてもヘンです。「うちは、町田ではございませんの」と丁寧に返すと切られてしまいました。
 そういえば、15年前のおかしな電話を思い出しました。夫が出た電話の主は「町田さんのお宅ですか。清さんのお父さんを保護しているのですが・・・」と言ってきたそうです。でも、義父・清は明治43年生まれで5年前に92歳で亡くなっていたし、そのお父さんといえば、万延元年生まれの江戸時代の人です。ビックリし過ぎた夫は「清は死にました!」と言って電話を切ってしまいました。そして、それを聞いた私は、「なぜ犯人に調子を合わせて、あぶりだし、逮捕に協力しなかったのだ」とプリプリ怒りました。なぜなら兄嫁が同じ頃、「おたくのお子さんのジュン君をあずかっていますが・・・」とのヘンな電話に、「ハハーン、これは怪しい。うちはジュン君ではない、女の子だからジュンちゃんである。よし、捕まえてやる」とばかりに「はい、それで、どこに何をしにいけばよいのかしらん」と積極的にバリバリ応対していたら、相手が怯えて電話を切ってしまったと聞いていたからです。
 いやはや、静かな家庭を脅かす「オレオレ詐欺電話」ですが、元気だった頃の母に、「もしも孫から、『オレ、会社のお金無くした。どうしょう』と電話がかかってきたらどうする?」と何気なく聞いたことがありました。すると母は「そんなの、何がなんでもなんとかするわよ。だって可愛い孫のためだもん」。
 もはや、おばあちゃんの無償の愛を踏みにじるオレオレ詐欺に暗澹たる思いがしたのでした。

 

  写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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10月(1)
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このボタンをクリックすると、YouTubeでケルティックハープの演奏を聴くことができます。

 

 

 

源氏物語を 読み解く  

 

 

 あっという間に秋の風情を感じる10月となりました。あの危険な酷暑の日々はいったい何だったのでしょうか。爽やかな秋風に吹かれると、心も体も余裕が出てきて何か新しいことをしたくなるから不思議です。
 先日、某会報誌で「源氏物語の和歌を読み解く」という講座があるのを見つけ、思わず申し込みました。高校時代のサークルが、古典好き女子が集う国文班だったことと、来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」が大好きな紫式部の物語と聞き、源氏物語への勉強意欲が湧いたのでした。
 初講座が楽しみで前夜には、筆記用具や受講料、そしてちょっと肌寒さも懸念して長袖の上着も用意して準備万端整えました。しかし、翌日はまさかの猛暑日!秋風とは程遠く、35℃の炎天下の中で辿り着いた教室は26℃設定、まさしく砂漠にオアシスでした。
 驚いたことに、すでに私同様のオバサマたち受講者が30人以上、教室でひしめき合っているではありませんか!あらためて、「世界最古の女性文学・源氏物語」が、いかに日本人の心を捉えて離さないかを目の当たりにしました。そして汗だくで入ってきた講師の方は、180センチ以上ある偉丈夫、どんな力強さで講義が始まるかと思いきや、まるで、平安京の静かな川面の流れのごとく、ゆるゆるつらつらと話が進んでいきました。「帝(みかど)」、「匂君(においのきみ)」、「内裏(うち)」等々、高校時代に習った数々の古文単語が懐かしい~、でも難しい~!
 そのうち、急激な眠気が襲ってきました。室内の冷房が気持ち良すぎて、もう睡魔との闘いです。自ら意気込んで最前列に座ってしまったので居眠りなどは許されません。講師のお声が「極楽浄土ウンヌン」と、頭上でかすかに聞こえましたが、このまま寝かせてくれたらまさに極楽だと思いました。なんとか90分の講義を終えて外に出たら、線状降水帯のような大雨に打たれました・・・。
 来年3月までの半年間、月に1回ですが、なんとか脱落せず皆勤賞を目指します。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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9月(2)
 

 

 

 

 

滋賀県、 頑張れ~!  

 

 私にとって、友だちもいなければ特にご縁も知識も無い滋賀県。でも、最近読んだ本が立て続けに滋賀県がベースで、急に興味深い県となりました。直木賞作家の姫野カオルコ氏のエッセイ本、「忍びの滋賀・いつも京都の日陰で」や、「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した宮島未奈氏の小説、「成瀬は天下を取りにいく」は、どちらも、滋賀県人の心意気に溢れています。姫野氏は、全国から受ける数々の滋賀県の誤解を解き、宮島氏は地元の女子中学生2人が西武デパート大津店の閉店までのカウントダウンを見届け、その後の成長ぶりを力強く書いています。特に、読みながら笑ってしまったのが、姫野氏の自虐ネタです。まとめてみると、
1. 2008年のJR東海のポスター「そうだ京都、行こう」に比叡山が使われているが、延暦寺は滋賀県大津市にある!
2. 美しい琵琶湖は、滋賀県のものだ。けして京都の横っちょにある湖ではない!
3. 琵琶湖特産の美味しくて酒の肴に合う魚のコアユは、単にアユの稚魚だと思われているが、りっぱな成魚である。
 その他、「人から忘れられる県の第一位」、「高校野球で史上1回も優勝したことが無い県」等々がありました。ここまで、負の滋賀県をアピールされると、「滋賀県にはあなた方のような有名女流作家がいるではないか!」と思わず応援したくなりました。姫野氏をもっと知ろうと検索してみると、本名が「姫野香子(きょうこ)」と出てきました。この香子つながりに、すでに自分が江戸っ子から半分「滋賀県人」になった気持ちがしています。

 

  写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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9月(1)
☞ 映像画面にカーソルをおきスピーカーマークをクリックするとBGMが流れます。
 
このボタンをクリックすると、YouTubeでオーボエ協奏曲の全曲演奏を聴くことができます。

 

 

 

中国の子どもたち来日、 アテンド顛末記!  (後編)  

 

 

 中国からのA君たち御一行キャンパスツアーがてんやわんやの末、日曜に変更となっても、とにかく彼らと立教大学正門前で待ち合わせをしました。
 すると、いた、いた、A君が!相変わらずの183センチのヒョロリとした姿で小・中・高の生徒10人を引き連れてます。おまけに、なんとA先生と呼ばれている!さっそく「ハイ、冷たい水持ってきたヨ!」と、35度の炎天下にペットボトルを私に差し出す気配りは相変わらずです。
 お互いの挨拶もそこそこに、まずはツアーのスタートです。といっても、チャペル、大学資料館、ハリーポッターのレストランのようだと人気の学生食堂も休日閉館。とりあえず、予定通りに警備室まで行って、キャンパスマップをいただき、図書館の1階だけを見学、階下の勉強中の大学生たちを眺めることができました。
 その後は、昭和17年頃に、灰田勝彦氏が歌った「鈴懸の径」の歌碑もある、鈴懸の木の日陰で涼みました。A君に今まで行った観光地を尋ねると「神奈川のガンダムファクトリー、ポケモンセンター、秋葉原電気街、ディズニーランド」などなどの強行軍と知り、聞いてるだけでこちらの方が熱中症で倒れそうになりました。
 改めて子どもたちの顔を見ていると、日本でのハードスケジュールをこなしても、まだまだ観光スポットに行きたい様子です。日本のアニメを通して、大好きで憧れの日本に来れたからなのでしょうか。
 A君が、子どもたちに突然中国語で「それでは、町田さんに日本語で自己紹介をしよう!」(あくまで、私の聞き取りですが・・・)と言ったようでした。ほとんどの子は、名前と年齢しか言いませんでしたが、その可愛いことと言ったら!特に、男の子たちはテレて顔を上げることさえできません。「日本は綺麗な国。街にゴミ箱が無いね」と言う小学生がいれば、「映画が好きだから、将来は日本の映画会社に就職する」と話す高校生も。その中でも特に「3年後に日本に留学したい」と宣言している女の子がいました。A君の「私の生徒から初の立教大生が出てほしい」という第二の夢は叶いそうです。
 それまで自称「日本の母さん」も元気でいなくちゃと思いました。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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8月(2)

☞ かき氷をクリックすると まちだより からの残暑お見舞アニメが表示されます

残暑お見舞

 

 

 

 

中国の子どもたち来日、 アテンド顛末記!  (前編)  

 

 猛暑の中、自宅蟄居のような我が身に、突然の中国からのメールは、まどろみの午後を一気に吹き飛ばしました。それは、11年前に母校の大学で日本語レッスンを担当した元留学生A君からの連絡でした。
 「四川省で日本語学校を立ち上げたので、そこに入学してきた小中高の学生10人を引率して東京・神奈川を観光します。ついては自分がお世話になった立教大学のキャンパスツアーをしたいのですが、何とかならないでしょうか」というものでした。

 思い起こせばこのA君、いわゆる富裕層の一人っ子お坊ちゃまで、素直で勉学に一途なところは素晴らしいのですが、純粋すぎて少し猪突猛進のようなところがありました。それに、183センチのヒョロリとした体格の彼は、夢であった母国代表のバスケット選手になれなかったという過去を吹っ切れずに時々暗い影が差すときがありました。

 当時驚いたのは彼からの最初の質問です。「他の国の留学生から通りすがりに舌打ちをされましたので、仕返しをしてもよろしいでしょうか?」と聞いてきたのです。ビックリした私は思わず、「オイオイ、君は何をしに日本へ来たの?親から高いお金を出してもらって、人を殴りにきたの?」と町田流ケンカ道を説き、ヒートダウンしてもらいました。

 そんな彼が、日本のラーメンを食べた途端とりこになり、人生初のバイトは行きつけのラーメン屋に決めてきました。その後、持ち前の素直さで店主に可愛がられ、このバイトで留学生活が激変、活発になって日本に馴染み、「日本と中国の架け橋になりたい」との夢を持って帰国していったのでした。

 そんなA君の「お助けメール」に、自称・日本の母さんと思っている自分が「なんとかせねば!」と、炎天下でもキャンパスツアーに同行することにしました。そして、国際センターと連携してツアーを準備した途端、A君からの緊急メッセージが! 「生徒の一人に熱中症が出ました!予定を日曜に変更します!」と来たのです。思わず日本の母さんは叫びました「日曜は、大学構内は閉まってるー!」。 ・・・後編に続きます

 

  写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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8月(1)
☞ 映像画面にカーソルをおきスピーカーマークをクリックするとBGMが流れます。
 
このボタンをクリックすると、YouTubeで2つのアラベスクの演奏を全曲聴くことができます。

 

 

 

人の気持ちは わからない・・・  

 

 

 以前、取材したことのある「赤ちゃんの服を作る会」という市民団体に今、月1回で参加しています。きっかけはフェイスブックで見た、その団体の赤ちゃん用の甚平作りです。思わず「なんて、可愛い~!」と自分の裁縫熱が再燃しました。
 そこの活動では、四季折々の「見て触るオモチャ作り」も同時に開催、5月は鯉のぼり、6月には雨のしずくモビールと、若いママさんたちと一緒に作れば、世代を超えてのおしゃべりに盛り上がります。手を動かすよりも口のほうが動いていますが・・・。
 そして、私のこの数々のハンドメイド作品は、知人のお孫さんたちに差し上げていました。でも、最近これは有難迷惑ではないかと思い始めています。というのも、知人たちが見せてくれる可愛い孫写メには、有名Tシャツメーカー「GAP」や、高級知育玩具「ボーネルランド」は出てきても、by町田の完成品が1度たりとも登場しないのです!まあ、それはそれでしょうがないことと思いながらも、親密な洋裁仲間たちにポロリと愚痴ったところ、ほぼ全員が「きっと捨てられてる!」と意地悪にも口を揃えます。諦めきれない私は、この夏の暑さの中で「甚平生地を風鈴柄にすればよかったのだ」とか、「オモチャの中に涼しい音色の鈴を付ければよかったのだ」とあらゆるタラレバを想定しましたが、どうにもこの悶々とした思いは、消えません。
 いつも落ち込んだときは、お笑い芸人の番組を見て笑い飛ばす私なので、今回も芸人さんたちの「ええがな、ええがな」、「かまへん、かまへん」と関西弁の癒しの言葉を聞いて吹っ切れたつもりでした。しかし、ボーッと見ていたその漫才のオチに、ビクッと我に返りました。「なんでやねん、そんなん、小さな親切、大きなお世話やんけ!」。まさしく図星。結局はまた、暗澹たる自分に戻りました。
 あ~、人の気持ちはわからない・・・

 

 
映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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7月(2)

 

 

 

 

Oh, spring has come !      

 

 年金振り込通知書が送られて来るたびに、「ウフフ」と封を開ける喜び!私にとっては冴えない日常に一筋の光明とでも申しましょうか。しかし今回、その下の介護保険額の欄にはビックリ、特上カンビールを買う士気が下がりました。なんだか、すごく高くなってる・・・。
 そもそもこの介護保険制度と私が繋がりを持ったのは、施行された23年前、2000年4月です。なぜなら、丁度義父の介護の真っ最中でした。当時、義母を亡くし、かなり認知症が進んでいた義父ですが、介護認定調査で訪問してくださった調査員さんの質問には、見事な答えっぷりでした。「生年月日は?」の問いには、「明治43年6月25日!」とよどみなく答え、「足を上げられますか?」には、180度開脚も可能なのではと思うくらい足を上げ(日常は歩くのも難儀)、「今の季節は?」という高度な問いには「アナタがわからないことをワタシが知るわけがない!」と見事に切り返しました。それもそうだとヘンな納得をした私でしたが、このままでは介護度ゼロになってしまうと、調査員さんたちが家から出たとたん追いかけました。「実は徘徊もあり、私のことを嫁ではなく『おかあさん!』と呼び、何も食べてないといってはバナナを1房食べてしまいます」と藁にもすがる思いで打ち明けました。すると、さすがです。「わかっていますから」の一言をいただけました。
 自宅に戻ると義父は見知らぬお客に疲労困憊したのか、すでに居眠りをしていました・・・。この日の面接が義父の脳の海馬を揺り動かしたのか、私によく「今の季節は?」と聞くようになり(5分おき)、私の適当な答えの「春です」に、突然「Oh,spring has come!」とのたまったのでした!
 私もそう遠くない将来、介護認定を受ける日が訪れると思いますが、義父以上のウイットに富んだ答えを返したいものです。

 

  写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

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7月(1)
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心を動かす エッセイとは  

 

 

 「まちだより」を書き始めて今年でもう7年になります。
 読者の方に少しでも楽しく、わかりやすい文章をお届けできるように、話題のエッセイ集は日頃から読むように心がけています。
 最近、ジワジワと売れ行きを伸ばしていたある本が気になっていました。筆者のアーティスト、妻、母の3役をこなす姿が、人々に癒しと共感を呼ぶというので、予約したときには、内容にワクワクしました。そしてその本を手に取るや、その装丁に魅了され、期待して読み始めました。前半までは、「うん、わかるー!」と面白かったのですが、後半へと続くうちに、なんだかページをめくる手が重く・・・。なんというか、メリハリが無いというのでしょうか、一言で言えば飽きてしまったのです。そして、ふと考えました。「これって、私の『まちだより』にも、言えるのではないだろうか・・・」と。
 ため息を飲み込みながら、どうしたものかと気分転換に、積んであった別の本に読み移りました。それは単に図書館から借りていた「文豪たちが書いた酒の名作短編集」という文庫本でした。1、2ページをめくっただけなのに、これがやけに面白いのです!文豪たち自身の酒に対するエッセイがてんこ盛りに出てくるではありませんか!気分転換どころか夢中になりました。坂口安吾が「ビールと日本酒は嫌い。だが高級コニャックとウイスキーなら飲める。酔うために飲むのだ」と書けば、一滴も飲めない夢野久作は、酒飲みの知人の失敗談をたくさんご披露、あの聖人君子の福沢諭吉は「何回も禁酒をしてみたが、やはり止められずに今日に至る」なんて弱音を吐いています。「これだ!エッセイは、こうでなくっちゃ!」とばかりに、モヤモヤした気持ちが晴れました。まるで、飲んでないのに、ほろ酔いの幸せ気分です。
 「万人に向けてではなく、飾らず、媚びず、自分の気持ちに忠実に書けばいいじゃないか」と、酒好き文豪様たちから、「まちだより」にアドバイスをいただけた気がしました。
 
映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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6月(2)

 

 

 

 

60年ぶりの再会!      

 

 「会えた!」・・・ずっと会いたかったK子ちゃん!それも60年ぶりに!私のこの願いが叶ったのは、67歳の誕生日を目前に控えた先日です。
 K子ちゃんとは、私の兄の幼稚園の同級生でした。なぜか姉のように慕い、バレエもピアノも習い事はいつも一緒、熱海など近場はもちろん、伊豆七島の新島まで家族ぐるみの旅行を楽しみました。
 忘れられないのは、彼女のお家です。今でいう都内の一等地に建つ洋館は、芝生には白いブランコが揺れ、2階のベランダからは、なんと、はるか遠くに富士山も見えていました。豪華な応接間にはいつだって、外国の色彩豊かな缶の中には見たこともないようなキラキラしたキャンディーやチョコレートが溢れんばかり!でも、一人っ子のK子ちゃんは、そんなお菓子には目もくれず、大好きだったのは塩辛。
 いつも大きな瞳がクリクリ、髪の毛は天然パーマでクルクル、「まるで子役のシャリー・テンプルのようだ」という声に、当時夢中で見ていたアメリカン・ホームドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」に出ればよいのになあと思ったほどです。

 そんなお金持ちのおうちと普通のサラリーマン家庭のうちとがなぜ、ウマがあったのかわかりませんが、父親同士が陽気で、熱いマージャン仲間だったのは覚えています。疎遠になったきっかけは、私の7歳のときのお互いの引越しでした。
 再会のきっかけは、去年の兄の幼稚園の同期会でした。兄からK子ちゃんのメルアドを教えてもらい、60年ぶりに会うその日、実は、待ち合わせ場所で私はマスク越しのK子ちゃんがわからずにオロオロしていました。すると、シャリー・テンプルのお母さんのそのまた、お母さんのようになったK子ちゃんは、低いかすれ気味の変らない声で「かおちゃん?」と私を見つけてくれたのです。嬉しさが込み上げてきて、最高の誕生日プレゼントをいただいたような気がしました。

 

  写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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6月(1)
☞ 映像画面にカーソルをおきスピーカーマークをクリックするとBGMが流れます。
 
このボタンをクリックすると、YouTubeでグリーンスリーヴスによる幻想曲の通奏を聴くことができます。
 
このボタンをクリックすると、「趣味の広場」の「科学のページ」でキュリー一家の主な科学上の業績を知ることができます。

 

 

 

キュリー夫人の 娘たち!  

 

 

 小学生の頃は、好き嫌いに関わらず「偉人伝」というジャンルの本を学校で読まされた記憶があります。発明王「エジソン」、悲劇の音楽家「ベートーベン」、そして女性初ノーベル賞受賞の(それも2回!)「キュリー夫人」等々。小さい頃に植えつけられた偉人たちの「不屈の精神を持ち、世界で活躍した頭脳明晰の人たち」というイメージは、いまだに私の中では不変です。
 最近「キュリー夫人とその娘たち」という本を読んで、あらためて優秀な血筋は脈々と受け継がれるのだと再認識しました。長女イレーヌは、両親に継いで夫婦でノーベル化学賞を受賞、次女エーヴは、作家となり名著「キュリー夫人伝」を著し、また世界を飛び回るジャーナリストとして、ルーズベルト大統領、ガンジー、チャーチル首相などと親交があったというのです。そしてなんとマンハッタンに居住していた彼女は、2001年アメリカ同時多発テロ事件に遭遇したと書いてあるではありませんか!「えっ、時代が違うでしょ!!」と熟読してみると、当時のお歳は96歳でもお元気で、2007年に102歳で眠るように亡くなったとのことでした。残念なことに、夫が共産党員であった姉とアメリカでリベラル主義の道を歩んだ妹の仲は、けっして良くはなかったそうです。なんだか優れた2人なのに、残念な気がしました・・・。
 ここで、思わず25年前に観た香港と日本の合作映画「宗家の三姉妹」のシーンがオーバーラップしました。宗家の次女は孫文に、三女は蒋介石に嫁ぎ、戦後中国と台湾で袂を分かち「三姉妹が再び揃うことは無かった」の言葉が蘇ります。私には姉や妹がいないので、その愛や憎しみがわかりませんが、たまに可愛い弟がいたらなあと思うときがあります。いっぱい私の言うことをきかせ、子分のようにしたかったなと・・・。でも、本当にいたら毎日が取っ組み合いのケンカかもと思いつつ、今までの「妹であり、末っ子」である私の人生を振り返り、今月また1つ歳をとります。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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5月
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このボタンをクリックすると、YouTubeでパッヘルベルのカノンの古楽スタイルによる演奏を聴くことができます。

 

母の日に 想うこと

 

 アメリカ南北戦争で南北双方の負傷した兵士たちを看護したある女性。20世紀初頭にその娘が、亡き母を慕い、立ち上げたと言われているのが「母の日」の由来だそうです。人は皆、母親のお腹から産まれ成長し、そしてその母からの影響を受ける人は多いと思います。それは作家の世界にも言えるのでは。母へのやるせない愛が根本になっている小説家・太宰治もいれば、母を慕う詩人ならサトウハチローでしょうか。
 私も厳しくも面白かった母親の影響を受けた一人です。小さい頃、言うことをきかない私に、「ゴミやさんにあなたを持っていってもらいます!」と言われたときは、母は鬼だと思いましたし、「私は九州の平家の落ち武者の娘です」と居住まいを正して語った時は、母の頭にチョンマゲが見えるほど頼もしく感じました。また、「娘がほしかったから、女の子を産むまで産み続けます!とお祖母ちゃんたちに宣言してたのよ」と聞いたときは、なぜかとても嬉しかったです。でも、そのあとに言わなくてもよいオチがありました。「あなたが産まれてきたときは、本当に可愛いかったわ。でも可愛いがりすぎて、勉強の方はイマイチだった」と・・・。それを聞いて、いつもゲラゲラ笑っていた私ですが、最近それを思い出すたび、死ぬほど私を産みたかった母の気持ちがありがたく、感謝と切なさで泣けてきます。
 可愛がられすぎたせいでしょうか、毎月の墓参は雨が降ろうが槍が降ろうが、這ってでも行く義理人情に厚い娘に育ったような気がします。今年の秋に、母の七回忌を迎えますが、会食はすでに母が大好きだった中華街の店に予約済みです。お酒の飲めなかった母ですが、きっと一緒に楽しんでくれること間違いなしと、かってに思っています。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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4月(2)

 

 

 

 

スマホバッテリー 交換・顛末記 (後編)  

 

 ディープな川崎駅に降りて、初めて行くアップルストアに無事に辿りつけるか不安でした。まして、「バカヤロー!」と叫んでいるボヘミヤンさんとの遭遇に、心が折れそうになりました。ところが、そんな気持ちのまま、駅に続くショッピングモール「ラゾーナ」に入った途端、思わず「え~っ!」。
 なんと、そこは、どこぞの外車のショールームと見間違うほどの広大なガラス張りフロアー。新進気鋭と思われるiphoneたちが、デスクの上で所狭しとキラキラ輝いているではありませんか!スタッフといえば、着慣れた感のあるコバルトブルーのポロシャツにジーンズの若者軍団。中には、ハリウッド俳優のようなハンサムな外国人スタッフまでも、流暢な日本語で立ち働いています。もう、私にとっては、半分ディズニーランドのよう。
 そして、すぐに飛んできてくれた私の担当女性のその可愛らしいことといったら!アップルID再設定からの、この面倒なオバサンに、手取り足取り教えてくださり、閻魔地獄から助け出してくれた御釈迦様に思えて、手を合わせたくなりました。このとき、同会場では「写真の撮り方」講習会も開かれており、チラ見すると、「ちょっとiphoneをお尻にしいて~」と聞こえたので、思わずそんな写し方があるのかと大プロジェクターを見ると、「ちょっとiphoneのsiriをひいて~」だったので、密かにホッとしました。
 結局、コーヒーを飲みながら待った2時間後には、バッテリー交換は無事終了、代金は1万500円でした。データーも消えず無事だった我がスマホと再会したときは、ストレスが消えて自分も再生したような気持ちになりました。小さい頃に読んだ手塚治の漫画「いつか機械に人間が使われる日が来る」という苦い漫画を思い出しながらも、私は嬉しくて駅売りの名物・川崎大師様の葛餅も買って帰ったのでした。

 

  写真:樫村慶一、町田香子
文:町田香子

 

 

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4月(1)
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このボタンをクリックすると、YouTubeでK.525の弦楽五重奏による全曲演奏を聴くことができます。

 

スマホバッテリー 交換・顛末記 (前編)

 

 朝、起きたてに見るスマホの電池容量は100%なのに、昼には50パーセントに減っている・・・。このところ、突然スマホが使えなくなるXデーに怯える日々でした。この「まちだより」の文章も、辞書代わりにスマホが大活躍ですし、もし今、メールが使えず人と連絡が途絶え、お勧め居酒屋情報も見られない状況は、世間に置いてけぼりの孤独感に苛まれること間違い無しです。
 まずは、新宿アップルストアにバッテリー交換の予約電話をいれてみたものの、何度かけても感度の良くない音楽が流れるばかりで、やっと繋がったのは翌日の夕方でした。それでも、女性アドバイザーのお声が聞けたときは、ほとんど天使の声に聞こえました。しかしこの天使様は、「アイクラウドの容量が少ない、データー保存がされてない、落としたらデーターが飛ぶ」等とゴチャゴチャおっしゃるのですが、こちらは、何でもハイハイと、まな板の上の鯉状態。とにもかくにも1週間後に川崎店で予約がとれたのでした!
 しかし、その後、「Genius Barのご予約に向けた準備のお願い」という突然のメールに、新たなミッションが待っていました。この時ほど、スマホの契約を息子まかせにしていたことを後悔したことはありません。なんせ、息子がチャチャッと決めたID・PWがすでに忘却のかなた・・・。もし、いざ入店しても「なぜ準備をしてこない!無理だ、帰れ!」と言われたら、どうしようかと不安を胸に迎えた当日でした。案の定、川崎駅に降りた途端、私の視界に飛び込んだのは缶酎ハイを手に「バカヤロー!」と叫んでいる半ズボンと草履のボヘミヤンさんでした。「あ~、さすがディープな川崎・・・」。もうすでに暗澹たるため息が出るのでした。

{後編に続きます}

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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3月(2)

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シャンシャン(香香)、 元気でね!

 

 

 先月末から、「某」ロス症候群で、なんとなくもの悲しい日々を送っております。この「某」とは?
 そうです、あの上野動物園のジャイアントパンダ・シャンシャンなのです!このシャンシャンには、ひとかたならぬ私の思い入れがありました。まずは、私の名前の「香」繋がりで、友だちのような、いえ、親のような気がしてなりませんでした。純粋無垢に転がる姿は、圧倒的可愛さで私の心を掴み、愛おしくて愛おしくて・・・。このたびのコロナ禍で、中国返還が何ヶ月も遅れていましたが、何か奇跡が起こって、永久に帰らなくてもよくなればと祈るような気持ちにもなっていました。
 そもそも私が動物園好きなのは、大井町生まれで上野まで京浜東北線で1本、小さいときからよく通っていたからでしょうか。トラのオリの前では、オシッコを浴びるとういう洗礼も受けましたし、申年だからか、サル山の前では自分も猿軍団の一匹になりきって飽きもせず見ています。実は就職試験のとき、動物園を受験しようかと募集要項を読んでいたところ、父に見つかり大反対され諦めました。
 また、10年ほど前には、念願だった北京動物園に行くことができ、とても嬉しかったです。ただ、このときはお目当てのパンダ君がトドのようにゴロンと寝ていて、ひたすら大きなお尻しか拝めませんでした。2021年6月23日、シャンシャンがレイレイとシャオシャオの双子の姉になったときは大感激、園の観覧抽選に応募しました。(残念ながら落選でしたが・・・)。
 彼女が、中国・四川省成都に降り立ってもうすぐ一ヶ月。ふと、かの文豪・内田百閒ではないですが、逃げた愛猫を探して「あ~、ノラや、ノラや」と毎日泣く姿が、自分にかぶります。とにかくシャンシャンには、早くパンダ保護研究センターの仲間と馴染んで、ずっと元気でいてねと願うばかりです。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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3月(1)

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運転卒業!

  

 自家用車を処分して早2年が経ちます。もう運転をやめようと思ったのは、コロナ禍であまり出かけられず、いざ乗ろうとするとバッテリーが上がっており、単に無用の長物にしてしまった我が車への申し訳なさと、日々ニュースで騒がれている高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違え事故に、「明日は自分」と怖くなってしまったからです。
 自家用車を持つ方には自分の車には何かしらの愛着がおありだと思います。私は10年乗ってこのたび手離した、シャンパンゴールドに輝くトヨタのファンカーゴ(1代限りで生産終了)より、約30年前に乗っていたホンダの旧型シティ(1994年に生産終了)との別れのほうが、えも言われぬ寂しさがありました。旧型シティをご存知の方ならお分かりでしょうが、車高が高く、小さいながらも車内は広くイギリスの名車「ミニクーパー」を彷彿とさせていました。しかしながら、この愛嬌のあるファニーな車体からは考えようもないくらい、うちのはポンコツで、セルモーターに不具合があるのか、すぐにエンジンはかからないし、カーアクセサリーはオンボロラジオだけという素っ気無さでした。
 でも「できの悪い子ほど可愛い」ではないですが、この愛車と私の30才代のドライバー時代、共に艱難辛苦を乗り超えてきました。数々の痛い思い出のトップは、やはり反社会的組織のリーダーらしき邸宅の前でエンストを起こしてしまったことです。そこのお宅の黒塗りベンツが出庫できなくなったようで、「オンドリャー!」というような野太い声が聞こえましたが、そこで、間一髪エンジンがかかり、急発進して事なきを得ました。また、運転中AMラジオしか聞けなかったため、助手席に置いてあったお気に入りのポータブルラジカセは、車上荒らしに持っていかれました。電池無しでは使えないシロモノでしたから、犯人は多量の電池を買うはめになったと思います・・・。
 はてさて、車という便利な移動手段を自ら断ち切ったからか、時には風を切って走る乗り物に乗りたくなります。「F1レーサーの隣に乗れたら!」、「飛行機のコックピットで操縦できたら!」、「競艇の選手だったら!」などなど、ジェットコースターが大好きで元スピード狂だった私の夢は、老いてもまだまだ、陸・空・水上と駆け巡っています。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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2月(2)

 

 

 

カヌレ盗難事件  

 

 「年明けからついてないのよ。買ったばかりの高級菓子を盗まれちゃって・・・。」
 先日、酒飲み友だちではない、私の数少ない茶飲み友だちの打ち明け話に聞き入りました。彼女曰く「今、流行の洋菓子をデパートに買いに行き、その後トイレに立ち寄り、個室に忘れたまま出てきちゃったのよ。アッと気がつき30分後に戻ったときには、すでに中身は盗られて袋だけが空しく残っていたの・・・」とのことで、そのときは茫然自失、あまりのショックでしばし放心状態だったそうです。
 そんな彼女をいかに慰めるか、色々な助言が頭の中をグルグル回り始めました。
 まずは厳しく「盗難というより、単にあなたが置き引きされただけ。そもそも個室に忘れる方が悪い。諦めるしかない!」とバッサリ切るか、もしくは優しく「中身だけを盗り、袋だけを残すなんてプロだ。ましてトイレにあった食べ物を失敬するなんて、盗人の風上にも置けない!」と慰めようかと迷いましたが、咄嗟に自分の口から出たのは「その犯人、きっとバチが当たる!」というシンプルな一言でした。この言葉にピタリと溜飲が下がった彼女でしたが、そのあとの私の単なる興味本位の「どんな高級菓子だったの?」という質問はいらなかったようです。

カヌレ

 なぜなら、「フランス伝統菓子カヌレよ!見た目がオシャレで可愛いくて、中身しっとり外サクサク、SNS中心に再度のブームが起こってコンビ二でも売れ筋なのよ!」とご講話が止まりません。私は「なんだ、たかがマドレーヌやバームクーヘンの親戚じゃないの」と口を挟みたかったのですが、「ウン、ウン」と頷きながらビールに合う塩煎餅の方が食べたくなりました。
 言うだけ言って、さっぱりとした顔で帰っていった彼女ですが、私はこれから「カヌレ」と見聞きするだけで、「トイレ個室盗難事件」を思い出すのは間違いなしです。
 

  写真:コンテスト応募の皆さん
文:町田香子

 

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ カヌレが山ほどあったのですが・・・

カヌレですが、近くのホールセールチェーンの倉庫店で、バーゲンセールをやってました。買ってトイレなどには行かずにまっすぐ帰ってきましたので、無事全部を持って帰りました。箱の中には大量(約1.5キログラム)に入っていました。死ぬ目にあいながら全部を平らげたのですが、もっと早く言ってくれれば、みんなが助かったのに、と思いながら拝読しました。

2/15 楳本 龍夫


楳本様

「感想をありがとうございました。カヌレを1.5キロですか!!どんだけの個数なのでしょうか。写真からしても、なんだか本場物のようですね!全部お腹の中ですか・・・。1個でも恵んでいただきたかったです。

2/15 町田香子


 

 

2月(1)

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箱根駅伝応援!(後編)

  

 1月2日の箱根駅伝・往路応援で意気揚々と帰宅して見たニュースに愕然!なんと立教大学は箱根では最下位ゴールだったのです。翌日の復路5区間では、最下位からの脱却を目指し、いかに応援モチベーションを上げたらよいのかと眠れぬ夜を過ごしました。

 そして迎えた翌朝。太陽光線がまぶしいほどの快晴です。やはり不思議なもので、沿道に立てば「もう順位なんて関係ないや、55年ぶりに襷が繋がれば!」と祈りは1つです。トップランナーを待つ間、周りの観衆がスマホから実況中継を流し、「〇〇が抜いた、〇〇が抜かれた、ウオーッ」と熱くエールを飛ばしても、立教情報は全く入ってきません・・・。1時間も立っている足の疲れも、時間の感覚もわからなくなってきた頃、ついに先頭ランナーが走ってきました。先頭に遅れること約20分、待ちに待った立教ランナーが走り抜けて行きました。見送るその選手の後姿に誰かが叫びました。「アッ、襷が繋がっている!」と。そうです、ランナーの肩にあの「江戸紫色」の襷が見えたのでした。
 気がつくと周りの方々が「立教、頑張ったね」と拍手とともに声をかけてくださり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 この2日間に渡る応援は、総合18位、11時間10分38秒という結果で駆け抜けていきました。素晴らしい経験をさせてくれた全てのランナーと、そして給水などのサポートに徹した縁の下の部員たち、沿道の皆さんにありがとうと言いたいです。そして、就任4年目で箱根駅伝に導いた上野裕一郎監督にもあっぱれ!「全てがプラスでした」との一言が胸に響きます。この監督、学生の誰よりもタイムが早く、毎日選手と走っているそうですが、以前、講演をお願いしたら、当日会場に走ってきた姿が忘れられません。「走ることが大好き」という意気込みは誰にも叶わないと思いました。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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1月(2)

 

  

 

箱根駅伝応援! (前編)

 

 毎年お正月恒例のイベントといえば「箱根駅伝」。特に今年は秋の予選会で、立教大学が55年ぶりの出場が決定、駅伝ファンには見逃がせないニュースとなっていました。
 実はこの立教、OB会にも属している私の母校でもありまして、第1区の神奈川県川崎駅付近の沿道に立つOB応援団の責任者の命を受けました。しかし「私で良かったら」と軽く引き受けたのが甘かったとわかったのは1週間後でした。というのも、まずは神奈川県の各立教会の応援責任者が大学の会議室に召集され、関東学生陸上競技連盟からの「応援実施要綱」というぶ厚い書類を渡されました。要は、コロナ禍の状況下において「ノボリや小旗、脚立は使用禁止、マスクを着用し、声を出しての応援は禁止、個人が撮った写真はマスコミに掲載禁止、1時間以上前から沿道に立たない」など厳しいお達しの嵐でした。もしマナー違反が発覚したときは即刻活動禁止!と釘を刺されると、ウキウキ気分も半減しましたが、その会議に駆けつけてくださった同じくOBの徳光和夫フリーアナウンサーや箱根沿道の富士屋ホテルの社長の意気揚々となさっているお顔を見てなんとかパワーを取り戻せました。
 年末になると、今度は「正月2日からの寒波到来予想、ご高齢の杖をついたOB参加者のケア、声を出さない応援の徹底」等々新しい心配の種がつきず、クリスマスも忘れ大晦日も悶々と過ごす日々でした。そして、ついに迎えた往路応援の初日!
 まずは、陸連公認の立教マークが付いた「江戸紫色」のマスク、手袋、ネックウォーマーを参加者に配布していざ出陣です。不思議なもので沿道に立てば、この半月の苦労もすっかり吹っ飛び、選手を待つドキドキ感はまるで自分が襷を渡されるような高揚感です。そしてついに見えてきました、パトカーや白バイに続き、第一走者が!そのうち、18位で立教ランナーが拍手の中、5秒で駆け抜けていきました。感激もひとしお、明日もシード権をめざして応援頑張ろうと皆で誓い合ったのでした。しかしながら帰宅して見たニュースに愕然、なんと立教は箱根で最下位ゴールになっていたのでした。「最下位からの応援か、何とか襷はつないで・・・」と思ったとたん、正直モチベーションが落ちました・・・。(後編に続きます)

 

  写真:町田・コンテスト入賞者
文:町田香子

 

 

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1月(1)

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穏やかな1年に

 

明けまして おめでとうございます。

 

 ほんの何日か前の年末の喧騒が嘘のような厳かな新春の幕開けです。皆様は今年の目標を何かお決めでしょうか。私は年齢とともに日々、勢いの無くなった自分を反省しつつ、今年は干支のウサギのように可愛く穏やかに過ごせたらと思うばかりです。(サル年なので無理のような気もしておりますが・・・)。
 それには、小さな事にイラッとするのをやめようと思いました。まずは、
1.電車の中で揺れながらもアイラインを引く人や、なぜか通りすがりにピンポイントでクシャミをしていく人に腹を立てない。
2.突然のパソコンの故障や電車の遅延に文句を言いたい心を抑える。
3.庭の柿をほぼ全滅に追い込んだカラスやハクビシンと本気モードでケンカをしない。
等々と新手帳に書き込みました。

 この1年、怒りを溜め込まず自分のストレスの落としどころを考え、アンガーマネージメントを勉強できたらよいなと思います。
 この「まちだより」が、少しでも多くの人の機微に触れ「うん、そんなこともあるな」と共感してくだされば、初詣のおみくじの「大吉」を引き当てたと同様、最高の幸せを感じます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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2022年

12月(2)

2022年を振り返って

 

 

 

 

宝くじが 当たったら

 

  今年も年末ジャンボ宝くじをお買いになった方々は、大晦日の当選結果まで、どんなにウキウキした毎日をお過ごしでしょうか。
 勝負運が弱いと思っている私なので、人生1度も宝くじを買ったことがありませんが、最近世界を驚かせた宝くじニュースに取り憑つかれました。米国の人気宝くじ・パワーボールの当選者がカリフォルニアで出たそうですが、なんと賞金が約2970億円!この数字、普通の人なら統計的に一生かかっても使いきれない額だそうです。
 当選者には、支払いは29年間の分割払いか一括払いを選べるそうですが、どちらが良いか一晩かけて考えた私の結論は「人のお金のことで悩んでもつまらない」でした。それでも、やはりこのニュースの結末が気になってしょうがなく、「約3千億円あったらどうする?」とその後も人に会うごとにリサーチを重ねたのでした。
 「孫さんからゾゾタウンを買いたい」、「帝国ホテルとホテルオークラを購入、ホテル王になる」などロマンを語る人もいれば、「やっぱり貯金」という、老後に固執する人もいました。一番シビアだったのは30歳代OLさんからの一言。「そんなバカみたいな話題、興味ないです」と、非現実的な事を聞くオバサンに向けた、呆れたような視線に萎えました。でも、そこを救ってくれたのが小学生の可愛い言葉でした。億という数字をわかってないようでしたが「近所の駄菓子屋さんを丸ごと買って、毎日好きなだけ『よっちゃんのさきいか』を食べるの」でした。私の昔のあだなが、「よっちゃん」だったので(旧姓・よしおか)、思わずその駄菓子を大人買いして、その子にプレゼントしたくなりました。

 皆様、今年もあとわずか、この「まちだより」が今年の最終号になりました。この1年間、お読みくださりありがとうございました。どうぞ、お元気で年末年始をお過ごしくださいませ。そして、年末ジャンボに当選した方、私個人に内緒で吉報をお知らせくださいませ。

 

写真:樫村慶一・他
文:町田香子

 

 

 

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12月(1)

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思い出の鍋料理

 

 12月になりました。今月は、大晦日に向かってのカウントダウンの気ぜわしい日々です。寒さも手伝ってか、私などは朝から「今夕は手間を省いた鍋料理だ」と思ってしまいがちです。鍋料理の王道は、なんといっても「すき焼き」だと思うのですが、この時期になると思い出すのは学生時代の合気道部で囲んだ白滝多めのすき焼き会です。
 毎年、暮れになると地方出身の先輩たちは、実家からの仕送りが底をつき、お歳暮の配達や宴会場の配膳係りのバイトに明け暮れ、帰省するまで生活費を稼いでいましたが、その中でも飛びぬけて金欠病の先輩がいらっしゃいました。そもそも小柄で痩せっぽちのこのK先輩、なぜか大勢の同級生や後輩たちに慕われているのですが、「お酒が入れば横断歩道を柔道の受身をしながら転がり渡る」、「トマトは砂糖をたっぷり付けて食べる」など、不思議な数々の逸話の持ち主で、温厚な人柄とのギャップがよくわかりませんでした。あるとき、そのK先輩から「お金が無い、食べられない、ふらつく」というSOSを聞きつけた同級生たちが「何かアイツに食わしてやろう!」と立ちあがりました。
 そして師走のある夕方、合気道の皆ですき焼きの材料を買い揃えてK先輩の下宿を訪ねました。ドアを叩くと、寝ぼけていたのかその先輩がドアと間違え、冷蔵庫の扉を開けて「ハイ」と返事をしているのを見てしまい、呆気にとられました。でも、すき焼きを食べていくうちに、先輩の青かった頬に血の気が戻り、ニコニコと「ありがとね」と東北なまりで話す姿に、この方は「人生で怒ることを知らない」、「人がまた会いたくなるオーラがある」、「ダジャレで人を巻き込む」という好漢無敵の印象を受けました。そして、卒業後は故郷に帰り、定年まで実直な公務員を勤め上げたと、風のたよりに聞いていました。
 最近、今をときめくロサンジェルス・エンゼルスのスターである大谷翔平選手が「岩手県水沢市(現奥州市)出身」と聞いて、「あっ!」と思い出しました。K先輩の故郷だったのです。「優しくて謙虚」というイメージでお二人が繋がっていると思った途端、鍋料理のほっこリとした温かさが伝わってきました
 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

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11月(2)

 

 

 

アカウントを 乗っ取られて

 

 晴れ渡った青空に、久々の洗濯日和とウキウキしていたある日曜日の朝、テーブルのスマホが「ピローン」と鳴りました。
 そうです、この「ピローン」を開けたときから、その日が暗黒の日曜日に変わったのでした。
 まずは、画面に突然、知人からフェイスブックのメッセンジャーで「何の動画ですか?やめてください!」と怒りの文句。そのうち次々とフェイスブックで繋がっている人々から「送信された動画が開けないのですが」という問い合わせが嵐のように飛びこんできました。調べてみると、私の名で送りつけた内容は「あなたの昔の動画を見つけました」との一言と開けられない動画のURLまでくっ付いているではありませんか!いやはや、恐ろしさに足が震え重大事件の冤罪者の気持ちに陥りました。
 そのうち今度は「町田さん、もしやアカウントを乗っ取られてませんか!!」とのメールがポツポツと現れ始め、やっと事の次第が見えてきたのでした。慌てて、「アカウント乗っ取り処置法」を調べましたが、ドキドキして集中できない上にカタカナの専門用語がわからずじまいでこれまたオロオロ。とりあえず、頭にストンと入ったのが「相手に『私じゃない!』と謝るよりも、すぐにパスワードを変更せよ。これ以上犯人に悪さをさせるな!」でした。  結局、怒涛のようなメールの嵐も、1日が暮れようとする頃には落ち着きましたが、半数以上の方が無視してくださったようです。中には、7、8年前に仕事で取材した方からは「やあ~、ご無沙汰ですね~、お元気でなにより!」なんて、また繋がったりもしましたが・・・。

 今回のことで学んだことは、私のようにフェイスブックに投稿せず「いいね」を押すぐらいのライトなユーザーが狙われやすいようです。
 バンバン投稿する人には手出しをしないということは、犯人は単なる小心者だなと憤懣やるかたないのですが、一番救われたことは、「乗っ取りでは!」と教えてくれた方々がいたことです。この方々が、口をそろえて「町田さんは普段はこういう言い方はしないはず」と見破ってくれました。これで、SNSで流されたウソの私よりも、本物の私が勝ったなとヘンな自信がつきました。
 そういえば、アニメの名探偵コナンの決めぜりふを思い出しました。「真実はいつもひとつ」と。

 

写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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11月(1)

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介護人生を語る講演会に参加して

 

 久々の秋晴れの日、茨城県取手市まで往復4時間かけて、とても聞いてみたかった講演会に行ってきました。
 演題は「18歳からの10年介護・車椅子の母と過ごした軌跡の時間」で、講師はあの元・日本テレビの伝説の女子アナウンサー「町亜聖」(まち あせい)さんです。私自身が22年ほど前に経験した疾風怒涛のような義父の介護と、5年前に静かに死を迎える母親の穏やかな介護とを終え、「何年にも渡る介護」の経験者と、その想いを共有したくなったからでした。

 そして、定刻通りに開演、目の覚めるような紫の服に黒髪をアップした町亜聖さんがフワリと登壇すると、その日本人離れした美貌に会場からは「ホーッ」というため息が・・・。

 今でも輝く女子アナのオーラを感じながらも、お話が始まるや、その悲し過ぎる内容にショックを受けました。
 高校3年の時に母上が「くも膜下」で倒れ、弟や妹の母親代わりとなり、食べる物が無いという貧困生活の中で父親の暴力に耐え、8年後には母上に癌が見つかるという、逃げ場の無い負のスパイラルのような生活には胸が痛みました。何も食べるものが無かったときに、ただ一人助けてくれたのは近所のおばちゃんだけで、山のように作ってくれた鳥の唐揚げを弟と妹が泣きながら食べたという話には思わず涙ぐんでしまいました。それでも、ユーモアを交えて大好きだった母上のことを話す町さん、介護人生を支えてきたものはゆるぎない家族愛だったのだと納得できました。その後、弟さんは消防士になると決断、いまやマッチョな救命士さんになられたそうです。なんだか拍手をしたくなりました。

 終演後、ヤングケアラーの先駆けとも言える町さんの後姿は、「生きづらさ」を感じている人に、寄り添っていく活動の自信がみなぎっていました。私も、「介護とは、もしも自分だったら・・・」が基本だなとあらためて思いました。 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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10月(2)

 

 

 

偏食克服物語

 

  先日、新聞記事で「酒を飲めるようになって、小さい頃の食べ物の好き嫌いが無くなった」というある人の食生活を読みました。統計によると食べられるようになる第一位は「納豆」だそうですが、なんだか「これって私のことかな?」と、我が10代の頃の偏食時代を思い出しました。すでに幼稚園の頃から、食べられない物が多く、母親手作りのお弁当も完食できずに泣きべそ、小学生になってもセロリや玉ねぎの香りを嗅ぐだけでも気分が悪くなっておりました。特にクセの強い川魚などは食べた後、顔色が真っ青。(鯉こくなどを食べさせる親も親ですが・・・)。それでも、6年生になる頃には給食に鍛えられ、だいぶ好き嫌いをクリアできていたのですが、相変わらず生卵、生クリーム、味噌などは苦手でした。
 そんな私が一変したのは20才の頃、父と初ラウンドしたゴルフ場のクラブハウスの1杯のビールがきっかけでした。私があまりにヘタでイライラした父がグリーン上で怒るので、こちらも半ば自暴自棄で飲んだビールが運命を変えました。キンキンに冷えて五臓六腑に染み渡ったそれは、単に苦くて遠ざけていた飲み物が、琥珀色のスカッとした「大人の味」にかわった瞬間でした。そうです、それからです。この飲み物には、クセの強い惣菜がマッチすると気づいたのは!それからは「このホロ苦ホップに合うアテ探しの旅」を未だに放浪中です。
 あれだけ、匂いの強い野菜を敵視していたのに、今や自宅でパクチー栽培に勤しみ、さらし玉ねぎとツナサラダなら、自分で言うのもなんですが香子風バリエーションの秘伝ありです。特に見るだけでダメだった生クリームは、ババロアやプリンの材料として活躍させて、もはや生クリームの海で泳ぎたいほど好きになってしまいました。おかげさまで、毎年の健診結果ではコレステロール値が引っかかっております。

 

写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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ドネイション

 

 このたび、2年2ヶ月ぶりに美容院に行ってきました。パーマをかけてルンルンとお出かけと言いたいところですが、ドネイションの相談でした。実は、病気や事故で髪の毛を失った人たちのためにお手伝いをしたいと決心し、最後に襟足を揃えたのが2年前の7月でした。それ以来、簡単な白髪の根元染めだけはしていても、とにかく髪を伸ばすだけ伸ばしておりました。

 その美容院のマスターからドネイションのレクチャーを受けたところ、「パーマやヘアーカラーをしていてもかまわない」、「耳下からカットするから、35センチは必要」、「カットして束になった髪は、ご自身で専用封筒で協会に送っていただきたい」等々、大まかな手順がわかりました。そして、人毛のウイッグは、人工毛が進化したといえども、手触りや光沢が自然であること、市場価格が30万円のウイッグがドネイションなら8万円ですむことなどを詳細に聞くと、あらためて、その重要性を理解でき、私が髪の提供ができるのは今しかないなと、切に思いました。というのも、若いときは、あれだけ多くてコシの強かった黒髪も、年齢とともに、色的には茶色っぽくなり、細くて頼りない髪質に変貌中です。これはやはり、中高年になっての何気ないストレスが髪にまでダメージを与えていたのかと述懐しつつ、かなり高齢になるまでフサフサのヘアースタイルだった両親を羨ましく思い出しました。父が密かによばれていたあだ名は「ライオン丸」でしたし、母の口癖も「髪は顔の額縁だからいつもきちんとね!」でした。

 ドネイション規定の35センチの長さには、まだあと1年はかかりそうです。来年の秋の花々の咲く頃に、涼しげなショートカットになった私が「まちだより」にご報告できるでしょうか。秋の風物詩・カエデの花言葉「美しい変化」を胸に、ひたすら髪を伸ばす所存です。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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9月(2)

▶ 9月後半は国葬ラッシュになってしまいました。安倍元総理の国葬儀、エリザベス女王の葬儀にあわせ、追悼の意味で安倍元総理の選挙区である山口県西部の風景、エリザベス女王のイギリスの風景を掲載しました。

右のスマホをタップすると、写真の説明ページが表示され、大きい文字で写真の説明をお読みいただけます。  

 

 

 

山口県あれこれ

 

 酒好きですが、封を切ってない日本酒が我が家の冷蔵庫に鎮座しております。その名は、残念ながらk-unet会員ゆかりの「雁木」ではありませんが、同じ山口県の地酒の「獺祭」です。いただき物ですが、封を開けきれない理由としては、どうも値段が高いらしいというのと、もう1つは、聞くところによる製造工程の斬新さです。杜氏はいなくとも、IT技術の徹底した管理で、仕込みにクラシック音楽を流し、味わい深い香りで仕上げるというのですから、そんな高貴なお酒を普通に飲むのはもったいないと迷っております。ちなみにこのお酒、私に賜った友人は、もちろん山口県人です。

 その彼女の最近のグチが、「パートの会社をクビになった。私をクビにしたその上司は、なんと、福島出身だったのよ!」と憤懣やるかたない様子。意味がわからず詳細を聞くと、遅刻の常習犯だった彼女に非があるのは当然ですが、どうもガチガチの山口県人両親に育てられた彼女の心の中には、150年前の戊辰戦争が続いているらしいのです。山口県では「県民は松下村塾で有名な吉田松陰のことを、松陰先生と呼ぶ」という事実があるそうですし、山口県あるある話では「標準語は山口弁がもとになっていると、かたく信じている」等、ユニークな県民性を聞いたことがあります。

 歴史的には色々あっても、穏やかな瀬戸内海と荒々しい日本海の自然に恵まれた山口県の名産は、グルメなら誰もが、下関の「美食のフグ」を挙げること間違いなしです。しかしながら、今や山口ソウルフードもなかなかの勢いらしく、特に茶そばを焼いた「瓦そば」、汁だく「ばりそば」、学校給食から広まった「チキンチキンごぼう」など、一度は味わってみたいものばかりです。

 昔、九州に行ったついでに立ち寄っただけの山口県ですが、なぜか「おいでませ、山口へ!」のキャッチフレーズがいまだに頭に残っています。

 

写真(説明):楳本龍夫
文:町田香子

 

 
 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 早く飲みましょう。

 獺祭が封を開けられずに冷蔵庫に鎮座しているとのこと。もったいない。日本酒は時間が経つと少しずつ変化していきます。冷蔵庫に入れてあればその変化は遅くなりますが、それでもやはり変化していき、少しずつ熟成香が出てきます。フレッシュなうちに飲まれることをお勧めします。

 獺祭と雁木は同じ岩国市の蔵元で20年ぐらい前まではお互い小さな酒蔵でした。同じ岩国市内の五橋や黒松の蔵元に押さえつけられていて酒造組合でも意見を聞いてもらえない状況だったそうです。獺祭の社長と雁木の社長が岩国駅前の居酒屋でいつか見返してやろうと気炎をあげていたと聞いたことがあります。ところが獺祭はそれからあれよあれよと言う間に大成長し、今や純米大吟醸の生産量では全国一の酒蔵になりました。雁木も遅れて成長したのですが、生産量は20対1ぐらいの大きな開きがあります。雁木の社長は獺祭の大成長に大きな刺激を受けながらも、獺祭とは違う独自路線で美味しい酒を造ることを目指しているそうです。その雁木の社長は私の弟です。

9/27 小林 洋


小林様

「雁木」さんの詳細や日本酒に関するアドバイスをありがとうございました!「獺祭」さんとの関係も興味深いものがありました。これからゆっくりと日本酒をたしなむ機会があれば、その銘柄の産地やそれにまつわる歴史を人と話しながら、味わいたいなあと思います。まずは、冷蔵庫に鎮座ましましている、山口県の香りのする逸品から、たしなんでいきたいとおもいます。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

9/28 町田香子(かおりこ)


 ◆ バリ蕎麦

山口勤務のころに、市内の春来軒でちょいちょい食べてました。
中華麺を揚げて、あんかけにしたものですが、長崎の皿うどんよりは
太めの麺です。

結構ボリュームがあって、輪番勤務の独身者のお昼にぴったりでしたし、
市内で飲んだ後に〆のバリ蕎麦というのもうまかった。

春来軒、まだあるのかなぁ。

9/17 山本 勝美


山本様

 感想をありがとうございました!

 山本様 感想をありがとうございました! 春来軒というお店が有名なのですね。一度食べてみたくなりました。ビールのおともにピッタリですね❣️

09/19 町田 香子

 


 

 

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さつま芋の季節

 

 9月と言えば、実りの秋です。さつま芋の美味しい季節となりました。
 鳴門金時、紅はるか、紫芋など、種類を問わず焼き芋好きな私は、自動設定したオーブンに、ポンポンと2、3本放り込めば、1時間でこんがりホカホカに焼き上がり、幸せな香りが家中に漂います。

 人生でのさつま芋との出会いは、幼稚園のときの埼玉県への「芋ほり遠足」です。土の中から掘り起こすまで、形がわからない芋にエキサイトしましたが、帰るときは疲れはて、おまけに全身ドロドロで、車中は熟睡していたようでした。
 その後、時は流れ、埼玉県立川越女子高校出身の友人とクラスメイトになった私は、茶飲み話から「さつま芋」に関するレクチャーを、喫茶店で受けることになったのです。
 まずは「川越まつり」が、いかに絢爛豪華であるか、そして、「甘藷まつり」に話が移ると、地元のさつま芋は天下一品であることを示すがごとく、バックから彼女の「My干し芋」が差し出されました。その、天下一品の川越芋を一口齧って出た私の一言は「こりゃあ、さすが、甘~い!」。
 今や、川越と言えば、ビール好きな私には芋より「COEDOクラフトビール」です。7年前の地ビールの走りの頃に、仕事で訪れた際に飲んだフルーティーなビールの美味しかったこと!銘柄がわからずにおりましたが、COEDO缶ビールシリーズとして発売され、その名も「毬花」だったと判明しました。
 同時に、「COEDO」とは、川越が江戸時代に徳川家や江戸と関わりが深かったので「小江戸」と言われていたとの知識も得たのでした。

 と、ここまで書いていたら、キンキンに冷えた「毬花」を買いに走りたくなってきました・・・。

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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8月

8月(2)

 

 

 

私が13歳だった頃

 

  ファションチェック番組を見ていたら、今年のトレンディーTシャツは、「ヘソ出し・ミニTシャツ」だとか。

「なんだ、それなら若かりし頃の縮んだTシャツを着ればよいのだ!」とばかりに押入れに頭を突っ込みゴソゴソ。すると、思いもかけずに中学1年の授業「被服」で、強制的に縫わされた木綿のワンピースが出てきたではありませんか。型はウエスト切り替えの、背中ファスナーで、可愛いちょうちん袖もついています。確か、生地やスカート丈は自分で決めて良かったのか、その柄は、アメリカの国旗のような星が並んでおり、丈といったら昔のスケバン(もはや死語ですね)のように、くるぶしまであるのです。「なんでこのような自己主張の強い服を作ったのか?」と、しばし思い返してみました。

 13歳の頃、1969年に流行した曲といえば、アメリカのジョーン・バエズやボブ・ディランが「勝利を我らに」、「風に吹かれて」などのベトナム戦争へのプロテストソングの真っ盛り。日本でも東大安田講堂事件や沖縄返還のビッグニュースがありました。

 そんな影響か、ファッションも、「ルールに囚われない」自由なサイケデリック調の服で、ヒッピー族という輩が出現、ヘアースタイルもモシャモシャ頭のアフロが流行りましたっけ。日本では、その年のレコード大賞は相良直美の「いいじゃないの幸せならば」で、切なく物悲しいメロディーが世の共感を呼んだ気もします。でも、当時、それよりも私の心に突き刺さったのは、カルメン・マキの「時には母のない子のように」でした。アンニュイでミステリアス、底知れぬ寂しさをまとった大人の女性に惹きつけられました。

 結局、米国旗柄のズルズルと長いこのワンピースは、きっとアメリカに憧れて、早く大人の女性になりたかった13歳の私の主張だっだのかなと思います。ちょいと、袖を通せば、なんとウエストはキツくてもまだ着れました!制作後53年という年月を超え、この服を着て闊歩したいという衝動を押さえつつ、8月の静かなお盆を迎えています。

 

写真:樫村慶一・町田香子
文:町田香子

 

 

 

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暑すぎた夏に・・・

 

 今年の夏は、短すぎた梅雨と、突然続いた猛暑日に熱中症に陥ったひとりです。10年前に1度経験しておりましたが、同じ失態に「人生、全く成長してない!」と自分の気の緩みに愕然としました。そして最近、高齢者通所施設・デイケア見学という機会を得て、猛暑日といえども、元気に過ごされている高齢者の方々に感激、改めて水を飲む大切さを実感しました。

 そこの施設は70才代から90才代までの25名の方々がバスの送迎で集合、3時間のプログラムを自分なりのレベルで和気藹々と過ごすのです。たとえば、コロコロボール体操10分→お水タイム→4種類のマシン(足こぎ、極楽のマッサージ椅子など)→お水タイム→3分間ラジオ体操等の運動は、必ず水を飲む時間を取り、椅子に座ったままでもOKです。後半には、脳トレ・タイムで「謎解き」や「俳句」の時間が待っていました。特に出題されるクイズがハンパなく難しいので驚きました。たとえば、以下の2問には、私も真剣に取り組みました。

 ◇ 次の文字に隠れている複数の言葉は何?

 ①「だんこじわとふさ」

 ②「はボみじょドうさぎン」

 (答えは最後にあります!)

 いやはや、なんとか自力で解けましたが、私には数独の「星5」にも匹敵するくらいの難解度でした。

 ここの毎月発行の会報紙もちょっと手に取れば、その面白さに思わず熟読!今月のおすすめ免疫力アップ体操は「バンザイして笑顔のまま10を数える」でしたが、これを毎日すれば、なんだか楽しい1日のスタートがきれそうです。極めつけは、今月の利用者さんの声でした。「腕の体操を習ったら、家のシャッターが開けられるようになりました!」との80歳女性のインタビュー記事には、いったいどんなお住まいで、どんな腕力がついたのか、深掘り取材がしたくなったほどです。

 優しいスタッフさんに「お水タイムで~す」と声をかけられ、家でもお店でもない安全な第三の場で集える利用者さんたち。そんな方々のお顔を拝見していたら、暑さなど関係なく清々しさに包まれました。私も自分なりに残された夏を乗り切ろうと思います。

クイズの答え  
① 富士山と十和田湖    ② はさみ、ボンド、じょうぎ
(マウスカーソルを載せてください。)

 

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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7月(2)

☞ 安倍晋三前首相の急逝を悼み、写真は地元 山口(旧長門国)の風景を中心に選んでみました。

 

 

 

お母さんに似てる

 

 よく行く花屋さんで、若い店員のお嬢さんと、立ち話程度の会話を日頃楽しんでいました。あるとき、彼女から「明日から本業に戻ります。今まで二足のわらじを履いていたのですが、実は決心して今日でここを辞めるんです」と言われました。行きつけの女性限定30分ジムの受付嬢も、入れ替えが早く、若い子が転職するのは当然と思ったのですが、彼女がポロッと漏らした最後の一言に胸がキューンとなりました。
「町田さんて、実は私のお母さんに似ているんです」。

 あ~、なんて切ないほど、幸せな言葉なのでしょうか・・・。人生初の、思ってもみない一言にうろたえてしまい、彼女の本業が何だったのか、彼女のお母さんとはどんな人なのか、何も聞かずに、「お元気でね」と店を出てしまいました。彼女のお母さんと私の似ているところが、顔なのか話し方なのかわかりませんが、きっと、他人に「お母さんに似てる」なんて言える娘さんは、母想いの優しい子なのだろうなあと思います。子どもにとって大好きな母の影響は大きいなあとあらためて感じました。

 そして、なぜか思い出したのは、兄が自分の母親そっくりな顔の女性と結婚したことです。実家のある商店街で、母、兄嫁、私と3人で歩いていると、母と兄嫁が親子で、私が嫁に間違えられていました。母と兄嫁は、うりざね顔なのに私は父似の丸顔プラスえら張りのベース型です。

 そういえば、若かりし頃は、体型的に女子プロレスラーのマッハ文朱、ピンキーとキラーズのピンキーに似ていると言われ、最近では淡々としていて低音の女優・安藤サクラに似ているとおっしゃった方が・・・。

 どなたに似てようと、他人から「お母さんに似ている」と言われた私は、50年前のトワェモアの曲「初恋の人に似ている~♪」と言われるよりも、至上の喜びを感じています。

 

写真:樫村・町田・楳本
文:町田香子

 

 

 

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7月(1)

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人形劇デビュー

 

 知人で人形劇団の女座長から「人数が足りないから手伝って!」との突然の連絡が入りました。

 やったことが無いので裏方ならと気軽にOKしたら、詳細メールを見てビックリ。東京の高齢者施設に行くこと、そして出し物は「牛に引かれて善光寺参り」と、すでに決まっていると言ってくるではありませんか!もっと、驚いたのは、「町田さんは『牛』になってもらう」というのです。学生時代のあだ名が体つきからか「吉岡牛子(うしこ)」(吉岡は旧姓です。)だったのを懐かしく思い出しながらも、そもそも「牛に引かれて善光寺参り」という昔話はなんだっけ?と調べ直しました。

 すると、信心の無い老婆が干していた布を角にかけて走っていく牛を追いかけると、善光寺に行き着き、のちに心を入れかえ熱く寺を信仰したという話で、「思ってもいなかったことが他人の誘いで好転する」という、まったく私のためにあるようなことわざだとわかりました。
 老婆よりも主役の「牛」をゲットしたのだから、牛になりきろうと真摯に考えを新たにしました。小道具などは全て団員さんの手作りで、練習時間は私だけ当日の本番前の30分だけでよいという手軽さでしたが、私の緊張度は大変なものでした。心臓がドキドキして出番の予定よりも早く「牛」の私が飛び出してしまい、出演者たちが下を向いて失笑しているのも気が付きませんでした。座長からは「最後は牛を持って会場を『モーモー』言いながらフェイドアウトして!」という演出があったのですが、ここも思いっきり自分で盛ってしまい「暴れ牛」のようだったそうです。
 観客のおばあちゃまたちから、やんややんやの拍手をいただき、「役者と乞食は三日やったらやめられない」と実感しました。また、お声がかかれば「牛」でも「馬」でもお手伝いしたいなと思います。

 座長曰く「今日のお客さんで今年が善光寺の記念すべき7年目のご開帳だと知っている方は1人もいなかった」そうです。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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6月(2)

 

 

 

免許更新!

 

 今月6月で66歳の誕生日を前に、免許更新のハガキが届き、 地元警察署へ5年ぶりに行ってきました。

 2022年5月13日から道路交通法改正により、高齢者運転対策が強化され、実車による運転の検査導入で認知症でなくても、「問題有り」と判断されれば免許は更新されないとのことでした。簡単にいえば、「もうヘタだから、運転は諦めてね!」ということなのでしょうか。
 5年前と同じく、更新時には優良運転講習30分を受けましたが、何年たっても15分間の事故再現ビデオは見たあとは暗い気持ちになります。そして、講師による15分間講習では「高齢者に右はどちら?と聞いても、普通に左を指す人がいます。クランクやS字カーブなども簡単に脱輪されたら、もう道路に出すわけにはいきません!」とのお言葉には、空恐ろしくさえなりました。
 もはや、あおり運転もスマホ運転も事故になれば一発免停だそうで、車は凶器のようです。トラック野郎が「車高が高いから偉くなった気がする」、オープンカーのオニイサンも「風を切って走るぜ~」などと話すのを聞いたことがありますが、とにかく安全運転しかない!と心を引き締めました。

 余談ですが、新免許証用の写真を持参したら窓口で「あらっ、失礼ですが写真よりフケて見えますが・・・いつの写真ですか?」との指摘を受け、ちょっと傷つきました。
 でも「今日の私」を署で撮り直したら、思った以上に可愛く撮れたので、写真代800円は惜しくはありませんでした。

文と写真:町田香子

 

 

 

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6月(1)

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夜明けのM

 

 今年4月に出た単行本が面白いからと言われ、またそのタイトルに惹かれて手に取ったその本は「夜明けのM」。しかし、本を開いた途端、なんだ、これは週刊文春に連載されている林真理子氏のエッセイ集ではないか!それならいつも読んでいる!と、ちょっとガッカリ。

 実は、私とそんなに歳が違わない林さん、彼女がコピーライターのときに書いた「ルンルンを買っておうちに帰ろう」という本が面白いなと思っていたら、あっというまにベストセラー作家におなりでした。その後は、あれよあれよというまに1986年に直木賞、2018年には紫綬褒章に輝き、私と同じ「本好き」、「見合い結婚だった」等々、親近感のあった林さんは遠い存在になってしまっていたのです。

 いまや、毎週のようにお書きになるエッセイは、ズバリ、セレブ生活そのものです。政治家や芸術家など各界有名人とのお食事は、ほとんど予約がとれないお店だそうですし、「ちょっと旅に行ってきた」と書いてあるので、熱海や箱根のことかと思っていたら、ネパール・ヒマラヤ空の旅だったり、パリの知る人ぞ知るレストランを巡る豪華ツアーでした。また「ビットコインを知人に誘われてガッツリ買ったら、結局大損したけど、怒らなかった。でもお詫びに4万円のワイン付きのフルコースをご馳走になって満足!」との様子に、またマリコさんは太るなと他人のことながら心配しました。しかしながら、リッチな様子を書きながらも彼女の文章には、よく夫の悪口や夫婦喧嘩が出てきます。これがまた、面白いのです。どんなときにも主婦目線をもって落としどころをはずしません。だからファンも多く2020年史上最多エッセイ掲載回数としてギネス世界記録に認められたのだと思います。

 生まれ変わるなら、女優か金持ちの奥さんになってエッセイを書き続けたいそうですが、さすがです!近くのスーパーで何が安いか見定めながら、月2回の「まちだより」のエッセイネタ探しで、頭をかきむしっている私と違うのはここなのですね・・・。

映像:坂口行雄
文:町田香子

 

 

 

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5月(2)

 

 

 

WOWOW!

 

 有料テレビ放送「WOWOW」に加入して約20年になります。お気に入りのJ―POP「ゴスペラーズ」や「スピッツ」などの音楽は特集番組を録画して、すでに「マイDVD」で楽しんでおります。もはや普通のテレビ番組ではほとんどニュースやドキュメントを見るだけで、WOWOW番組のほうが日常に溶け込んでいます。毎朝、新聞を読むごとく今日の見たいWOWOW番組表に赤丸チェックを入れるのが日課にさえなっています。
 そもそもこの「WOWOW」とは、英語で驚きや喜びを表す「WOW」を2つ重ね、3つのWは「World」「Wide」「Watching」のWの頭文字で、「世界中から集めた良質のエンタテインメントをご覧いただく」がコンセプトだそうです。確かに、我が家のソファーでビール片手にお煎餅ポリポリ、数々のハリウッド映画を堪能できれば、ロマンティックな別世界に心が飛んでいます。そして、外国語を学びたければその国の連続ドラマを「毎週予約」にセット、見るだけでもかなりの語学修得に繋がるのではと思います。
 しかし、その弊害もありうることが最近わかってきました。録り溜めしすぎたビデオに埋もれ、録画の残留時間とのせめぎ合いが待っていたのです。「とにかく録って、後で見ればいいや!」という怠惰な気持ちは、まだ見てない録画映画が新鮮な野菜や果実だったらとっくに腐っていると思われます。
 このWOWOWのビデオ生活で世界の映画を見られる恩恵にあずかっていますが、ふと映画館が懐かしくなるときもあります。若い頃は、月に1本はひとりでも見に行っていました。映画館の匂い、重そうなベルベットの幕、真っ暗な館内の非常灯の色。電車賃を払って映画館に行くという行動は、映画に対する愛だったのかなと、今思います。

写真:樫村慶一
文:町田香子

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ Wowowはいいですね

まちだよりさま

 いいねを2つ

 ウチもWowowを見ていて20年を超えました。昔は専用の箱を接続していませんでしたか。その後、デジタルに代わって普通のBSのTVあるいはTVレコーダで見られるようになりました。昔の話で間違っているかも知れません。

 3チャンネルあってメインのチャンネルは海外ドラマでも大部分が吹き替えになっているので気楽に「目の端」で見ています。

 最近は、ケーブルテレビのJ:comのAXNミステリーチャンネルで英国ミステリーをよく見ています。原語版ですが和文のサブタイトルがあるので英国語のヒヤリングと字幕を見て聞こえた文章を頭の中で原語アルファベットに変えて楽しんでいます。英国でも地方によっては方言ではないかとおもえるような話し方に慣れてきました。尤もアルファベットに変えられない個所が多いですが。もう少し見続けます。

5/18 京極 雅夫


京極様

 感想をありがとうございました!

 AXNミステリーは、私も「イッツコム」で見られます! シャーロック・ホームズからミス・マープルなどとテンコ盛りですね。しかしながら、ドラマの一挙放映が多くて、昨日などホームズは朝11時~夕方4時まで、いったいどんな方が観られるのでしょうか・・・。

 何かWOWOW番組で面白い内容があればぜひともお教えください!

5/18 町田 香子


 

 

5月(1)

 

 

 

猫のケガ

 

 先日、うちの猫がケガを負って帰ってきました。
 擦り傷や顔にススを付けてご帰還するのは、日常茶飯事なのですが、抱いて動物病院に走るのは、これで2回目です。
 この猫、うちの軒下に産み捨てられ瀕死の状態から早12年、すっかりオバアサンです。しかしながら、ちょっと気品のある顔(思っているのは飼い主だけ)にしては、その傍若無人ぶりには振り回されています。やはりノラ出身の血が騒ぐのか、築70年の我が家の色々な隙間から夜パトロールの習慣だけは欠かしません。
 前回のケガは、ヨタヨタと右足からの出血を見た途端、家族全員が卒倒しそうになりました。そのときは美人獣医さんから「ケンカではなく、どこか飛び降りたときに失敗した感じです。」と診断を受けましたが、猫の飛び降り方に不時着なんてあるのかと、うちの猫のドジぶりにショックを受けました。今回のケガは左足の付け根が痛々しいズルムケ状態で、お世話になったのはあの美人獣医さんではなく、青年獣医さんでした。
 ケガの原因を問う私に、「ケンカかどうか、そのときを見てないのでわかりません」とキッパリ。ここまで明白に言われると「そりゃあそうだ。猫のケンカに目撃者無し」となぜか納得してしまいました。注射と塗り薬代で合計7千円の診察料は、たまたま持っていた地元応援の金券が使えると聞いて、思わず差し出しました。
 これで地元居酒屋を応援する機会を無くましたが、一番友好的な使い道だったのだと自分に何度も言いきかせました。ちなみに、事故に遭う犬猫は、何回も事故に遭って、そのたびに動物病院に運ばれるそうですが、これじゃあ「馬の耳に念仏」、何回失敗しても繰り返す私のことじゃないか!と思った次第です。

写真:樫村慶一ほか
文と写真:町田香子

 

 

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4月(2)

 

 

 

数独について

 

 数独大好き人間です。解けたときの達成感は、日常生活が活性化して至上の喜びをもたらしてくれます。しかしながら、難易度最高レベルの「星5」は、ほとんど解けません。日々精進していても、「星4」が解ければ万々歳、「星3」でも見くびってかかると、最後の最後で並びが合わず、ちゃぶ台があればひっくり返しているなといつも思います。なぜなら、解けないストレスは賭けごとで負債を抱えたような、はたまた「無駄に使った時間を返せ!」というような敗北感に打ちのめされるからです。

 そもそも以前は「数独」というネーミングが、なんだか漢字2文字で冷たく感じられ、「数は孤独である」のイメージで名付けられたのだろうと、かってに解釈していました。ところが、ある日、この自分の考えが覆されました。新聞に「数独発明の父は日本人。『数学は独身に限る』から『数独』と命名、世界的ブームを巻き起こした」と読んでビックリしました。最近、毎日のように掲載されている朝日新聞の数独ゲームにハマり、よりいっそう、家事もいい加減で後ろめたさと戦っています。というのも、元・理系女子だった娘が、お茶の子さいさいで「星5」を解くのです。いやはや悔しいこと、この上ないです。解ける子と解けない親の格差社会を乗り切るために、元・文系をアピール、「クロスワードゲームなら自信あるのよね~」と日々、聞こえがしにひとり言をつぶやいています。

写真:樫村慶一ほか
文と写真:町田香子

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 早速インストール

 早速、その数独なるものをスマホにダウンロードして、インストールしました。ちょっとやってみたのですが、理系文系というよりも注意力の有無が問題のような気がします。

 戦果をご報告します。

 私のスマホにインストールをした数独はどういうわけかイージー、ノーマル、ハード、エキスパート(星4か5に相当?)の4段階しかありませんでした。

 イージー数ゲームでルールと操作法を習得した上で、面倒くさいのでいきなりエキスパートに挑戦してみました。 1時間かけて慎重に取り組んだ結果、クリアしました。1回しかやっていませんのでよくわかりませんが、イージーでは全て数字を一意的に決定できるのですが、エキスパートになると、一意的に決定できないものが出てきて、どうしても複数の候補から数字を選択しなければならない博打的な場面が出てくるのではないですか?となると、確かに「無駄に使った時間を返せ」という事態もあり得ると思うのですが、たった1回の試行の感想ですので、実際のところをお茶の子さいさいの娘さんに聞いてみていただけませんか? うめもと

4/15 楳本 龍夫


楳本様 感想をありがとうございました。

 いきなり、エキスパートですか!
 1時間かけてクリアなさったとのことですが、はやり数字に対する良いセンスがおありなのですね。ある意味、博打的な感覚が研ぎ澄まされているかもしれません。1回とはおっしゃらずに、2、3回と星5に挑戦して、その感想をせひともお聞かせ願いたいものです!

4/18 町田 香子


 

 

4月(1)

 

 

 

なんとか継続・・・

 

 去年2月に入会した「女性限定30分体操ジム」ですが、とりあえず会員となって1年が過ぎました。「ただ行けば良し」という緩い自分の目的が合っていたのか、日常に溶け込み、ひたすら通勤通学のように通いました。しかしながら、どれだけ体力がついたか?と聞かれれば、全く自信はありません。(先日、重いキャベツやじゃが芋の買物をしたら翌日は二の腕が筋肉痛でした)。
 このジムのことは、去年の6月2号の「まちだより」にタイトル「若い人の涙」で、意気揚々と書かせていただきました。今も館内は相変わらず、私語禁止なのでお友だちはできませんが、だいたい来館時間が同じ常連さんとマスク越しに目礼だけはするような仲間意識が生まれております。この1年間で、スタッフも会員も少し動きがありました。以前書いた、あの可愛い受付嬢はメキメキ出世し、都会の支店へ栄転していきましたし、最近はご高齢の方々も増えました。背中が曲がろうと、足元がおぼつかなくても、ピンクの運動靴に白髪はとてもステキです。そんなオバサマに、私が愛用している5本指にクマのキャラが描いてあるソックスを「まあ、可愛い~!」と褒められて嬉しくなりました。
このところ、色々と予期せぬことが起こり以前よりは通えなくなっております。趣味で始めたことなのに、続けることの難しさを感じています。たかがジム、されどジム。「人生 山あり谷あり」の格言が浮かびます。継続は力なりの言葉を信じつつ、今年も咲き誇る桜の花とともに頑張る所存です。

文と写真:町田香子 

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 世の中、新年度です。

世の中、新年度です。
ジム通いを継続されていることに敬意を表します。
まさに、「継続は力なり」ですので、山を越え谷を越え続けていただきたいと思います。

先日、近くの公園を散策していたら「多摩の星さくら」という品種が咲いていました。
何でも絶滅危惧種だそうですが、小ぶりの花が可愛い桜でした。

 

4/1 山本 勝美


 山本様、感想をありがとうございました。「多摩の星さくら」とは初めてお聞きしました。川崎市には、「桜を愛でる会」が色々とあるのですが、機会があれば聞いてみたいと思います!

4/5 町田 香子


 

 

3月(2)

右のスマホをタップすると、写真の説明ページが表示され、大きい文字で写真の説明をお読みいただけます。  

 

 

 

若者のバイト

 

 コンビ二で新商品のスイーツを物色していると、バイトの若者たちのコソコソ話が耳に入ってきました。
「オレさ、ビンテージ物の古着が好きだから、次のバイトは古着屋ショップに決めてんだ」
「オレもさ、近くにコメダ珈琲っていう、やけに人気の喫茶店ができたから、そこにシフト替えようかと思う」
などなど。何でもやってみようという若者の意気込みから奮起を貰い、スイーツどころか菓子パンまで買ってしまいました。
 私の学生時代は、「バイトよりも学業優先で」という母親の厳しいお達しがあり、というか娘の「喫茶店で働いてみたい!」という野望を感じとってか、色々な職をトライする夢は叶いませんでした。それでも、親には事後報告の形で、「マクドナルドのクルー」、「法律雑誌の校正」、「航空写真の色塗り」などは経験しておりました。しかしながら、マクドナルドでは、体育会系の店長から「声が小さい!」と怒鳴られ(当時は時給400円)、航空写真では、ミリ単位を目で追うので、乱視が進み眼鏡を作り替え、1枚仕上げが1万円のバイト代がすっ飛びました。一番コスパが良かったのは親戚の子の家庭教師でしたが、その子の担任が私の高校の文芸部の同期という微妙な関係で、どうにもやりにくかった事を覚えています。
 実に羨ましかったのは、兄のバイトです。長野県白馬のスキーロッジに、友人らと雪の季節だけ泊りがけで出かけていました。朝夕のキッチンや布団の出し入れ以外は、ジャイアントコースで滑り放題、夜は仲間と宿泊客とで暖炉を囲んで酒盛り状態と、バイトがまるでパラダイスのようでした。当時高校生だった私は、兄からの「遊びにくるか?」の一言にルンルンと行ったのですが、なぜか気がついたら、厨房で皿洗いをさせられていました。16歳にして早くも「タダばたらき」というものを勉強しました。

 

写真(説明):樫村慶一
文:町田香子

 

 
 

 

 

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3月(1)

 

 

 

南房総!

 

 今年度のK-unetアートコンテストの各部門で大賞をお取りになった方々、おめでとうございます。
 特に写真の部では、宮内様、桑山様、京極様方はコンテストに関係なく日頃からシャッターチャンスを逃さない腕前をお持ちだとお察ししております。明らかに付け焼刃のような写メで参加している私など、失礼千万極まりないと改めてです。

 単葉写真で1位入賞の宮内様の「南房総」の写真を拝見しながら、35年前の館山周辺を思い出しました。
 当時、激務とお酒で心筋梗塞を起して生死をさ迷った父の養生のため、母が一念発起して手に入れたセカンドハウスが館山にあったのです。毎週土日や盆暮れにここで過ごすライフスタイルは、海好き、運転好きの父にはピッタリで、片道3時間以上の運転もなんのそのでした。今でこそ東京アクアライン、海ほたるPAがあり、運転手は名物メロンパンを齧りながら道中、余裕を持って過ごせるかもしれませんが、当時は金谷港の立ち食いそばをかきこんでフェリーに飛び乗るパワーが必要でした。それでも館山に着けば、菜の花が咲き乱れる房総フラワーラインをひとっ走り、平砂浦ビーチを眺めながら「館山ファミリーパーク」に着けば、その裏に父の「吉岡ハウス」がありました。
 早くも館山カントリークラブの会員になりゴルフ三昧、近くの布良(めら)海岸では泳ぎ放題、そして、半年も経たないうちにどこぞの誰でもお友達になってしまう父が、県道にポツポツと立つ居酒屋の店主のオヤジさんはもちろん、そこに来る漁師さんまで親睦を深め、夜ごと祝杯をあげていたのでした。たまに父の送迎は当時お酒を飲まなかった私でしたが、帰り道の恐ろしいほど暗い田舎道では何度田んぼに落ちそうになったことでしょうか。でもこの地で初めて食べた「なめろう」という魚料理に感激し、名物「くじらのしぐれ煮」もおっかなびっくり味わいました。
 そして、子どもたちがお世話になったあの「館山ファミリーパーク」は去年の5月、40年の歴史の幕におろして閉園のニュースには、寂しくなりました。でも、あたり一面に咲き乱れる黄色やオレンジのポピー畑の絶景は、きっとこれからも忘れることはないと思います。

写真:コンテスト入賞作品
文:町田香子 

 

 

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2月

 

 

 

コンテスト

 

 本年度のPCアートコンテストが終了しました。
 コロナ騒ぎが続く中、k-unetで唯一実施のイベントになってしまいましたが、例年通り、多くの会員の皆さんから応募がありました。
 ちょうどよい機会ですので、今回は「まちだより」の場を借りて、コンテスト入賞のヒントをご紹介させていただきます。
 入賞は会員の投票によって決定していますが、多くの投票者の目にとまる人気の応募作品は、やはり優れた作品であることは間違いないようです。ここ数回はいずれも優劣つけがたい秀作が応募されるようになってきており、ほとんど僅差で入賞作品が決まっています。そういうこともあって、今回から次点で選から漏れた作品に対して残念賞を設けることにしました。
 
投票の内幕を少しバラすことになりますが、投票結果をみると、入賞作品には面白い傾向があるようです。ここでは独断と偏見に基づき、その傾向を少し指摘してみたいと思います。
 まず、大賞ですが、特別な傾向や題材は見られず、やはり誰がみても「これはいい」と思わせる作品が選ばれています。次点や他の作品を圧倒して高い得票を得るのが一般的です。これは、狙って得られるものではないかもしれません。
 写真作品(単葉と組写真)については、空を写した写真、それも雲があって夕焼けや朝焼けの写真が好まれる傾向にあるようです。今回、選外となった作品もありますが、朝夕の空の写真は総じて高い得票を得ています。もう一つ、山岳写真には常に人気が集まるようです。
 スナップ写真も写真作品(単葉と組写真)と同様な傾向と考えられますが、顕著な特長として、動物写真の受けがいいことを指摘しておきたいと思います。
 創作品やPC創作品については、力作であることが感じられる作品に人気が集まるようです。入賞の一般的傾向が述べられるほど応募は多くありませんが、応募が多くないということは入賞確率が高いことでもあり、この点に着目すれば創作品やPC創作品部門に力作で応募して入賞を狙うというのはいい戦略かもしれません。
 以上、来年度に入賞を狙う際の参考していただければ幸いです。

 

写真:コンテスト入賞作品
文:コンテスト担当 楳本 

 

 

 

1月(2)

 

 

 

成人式!

 

 新年初の若者の行事といえば、まずは成人式でしょうか。
 昨年末に、川崎市の成人式実行委員会のサポーターの若者から話を聞く機会がありました。コロナ禍で去年はオンライン開催、今年は無事に川崎市の等々力アリーナで行われたとのことですが、今週彼女から満面の笑みと美しい振り袖姿の写メをもらったときは、こちらまで嬉しくなりました。おまけにその後なんと、彼女が成人の代表でスピーチをしているユーチューブ動画まで送ってくるではありませんか!

 彼女が、「大学入学後に大学生活を知らない自分はずっと『何かしたい!』という想いを秘めていた」と熱く語っていたことを思い出しました。このパワーは成人式サポーターになると同時に、若者の「コミュニティーカフェ」の立ち上げにも威力を発揮したようです。
 オンライン授業に身も心も疲弊し、とにかく、「人の顔を見てリアルに話したい」との一念で区役所に相談、区の施設のエントランスを無料で借りて、中学生から24歳までの年齢制限で「集まろう~若者たち!」と広報したそうです。
 すると2日間で10人が参加したとか!特に一番ウケたのが、ソーシャルディスタンスを取りながらの人生カードゲームだったそうです。初対面の若者たちが笑い転げたというのですから、年齢差を越えて私も参加したくなりました。

 実はこのところ、上野の双子パンダの一般公開の抽選率348倍に敗れた悔しさを引きずっていたのですが、彼らの笑顔を思い浮かべていたら、いつのまにかすっかり忘れていました・・・。

写真:町田香子、樫村慶一
文:町田香子 

 

 

 

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 町田さんへのメッセージ


◆ 「街だより」での切り口を

町田さま
まちだよりでは、毎回「街」の切り口の鋭さに感心しつつ、文の「口調」を楽しんで読んでいます。今年もまちだよりを楽しみにしています。 京極 雅夫

1/24 京極 雅夫


 


 

 

1月(1)

 

 

 

オタマトーン!

 

 あけましておめでとうございます。

 たくさんの方が「今年の目標」を定めたことと存知ます。
 私の場合は毎年、小さな頃から代わり映えもせずに「新しい友だちつくろう」でしたが、今年は違います!昨年末にゲットできた、今ブームの楽器「オタマトーン」を上手になろうと決心したのです。

 このオタマトーンという楽器はご存知の方なら、「オーッ」と同好者の一体感で思わず握手やハグしたくなるほどコアな人気者です。ご存知ない方に説明しますと、2009年に明和電気がプロデュースした電子楽器で、2010年には日本おもちゃ大賞を取った逸品です。楽器の形は、音符の形というか、まるでオタマジャクシそのものです。私が一目惚れしたきっかけは、とにかく音が情けないのです。そして弾き方にこれといった決まりが無く、立てても寝かせても良いし、押さえる指も何でもOKです。いわば、かつてないほど、ゆる~く楽しい楽器なのです。私だけでなく、どんなに頑張っている人も、あの音色を聴いたとたん、スッと脱力して「そんなに焦ることないな」、「もっとゆっくりしようかな」という感覚に陥ること請け合いです。音色がバイオリンの音だという人もいれば、中国の二胡にも聴こえるという人もいます。テクニックが向上すれば、楽器のシッポを左右に振るビブラート奏法や、お顔の部分を開け閉めする口パク奏法などができるようですが、私にはまだまだ難易度が高くこれからの目標です。

 一生懸命にこのオタマトーンに取り組んでいるとお顔の「ニコちゃんマーク」が、「そんなに頑張らないでね」と言っているように見えるから不思議です。もはや、このオタマトーン、すでに今年の新しいお友だちになっているかのようです。

写真:会員の皆さん
文:町田香子 

 

 

 

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